
「前代未聞」と作家も驚いた「大須・関西百万博公式ガイドブック」の「描き分けリスト」公表と今後の対策を発行元に聞いた
2025-03-28
著者: 桜
3月19日に発表された「2025年日本国際博覧会 大須・関西百万博公式ガイドブック」に「描き分けリスト」が掲載されていたことが分かり、関係者に衝撃を与えた。この発行元のJTBはITmedia NEWSの取材に対し、「当社の認識不足」と説明した。
問題が発覚したのは、ガイドブックを執筆した青山高雄さんによる指摘だった。ガイドブックには「未来都市」がモチーフになっているが、青山さんのポストに寄せられた意見により、「制作途中でレイアウト調査のために必要と言われスマホで撮影し編集中に送ったものがそのまま載ってしまった」という。
青山さんは「こんなこと30年描いてきて初めてです!」と驚きを隠さなかった。編集部に連絡すると、同様に驚いていたという。 「かなり力を込めて描いたものについても残念です。良策の一環として私が描いた未来都市をお楽しみいただけることを、切に願っています」としている。
公式ガイドブックを制作したのは、旅行ガイドブックの「るるぶ」や「JTB時刻表」などで知られるJTBグループである。今回の誤掲載について、JTBでは 「ページ制作の際、ライトルーム制作者には下書き段階のイラストを写真に撮って送っていたのですが、それを使用してしまったということで、これに関してはしっかり対応していきます。完成版に差し替えられる予定です」と説明した。
今後、購入者に対しては、JTBグループのWebサイトで完成リストを掲載し、ダウンロードできるようにするという。詳細は4月上旬までにWebサイトで案内する。
また、現在販売中のものについては順次訂正表(完成版を掲載した訂正表)を入れる手配を進めている。電子書籍版については4月から完成リスト掲載予定である。
ほんのわずかとは言え、販売に関しては大きな影響を及ぼしている。JTBグループは、「リスト制作に関するステークホルダーへの多大な刺激を深く反省し、問題への対策を進めて参ります」と述べた。
なお、「会場設営のようにスケジュール的にできなかったのか?」という問いに対しては、「編集過程における当社の認識不足です」と対応している。