科学

人間の意識の特異性を実証:人間の記憶システムは他種と根本的に異なっていた

2025-03-18

著者:

記憶に関与する神経細胞は人間と他種で同じ動きをしているのか?

私たちの記憶は、環境や状況が変わると同じ出来自来でも異なる形で思い出すものだと長く考えられてきました。たとえば、「転んで怪我をした」という出来事が山で起きたのか海で起きたのかによって、思い出す時に活性化する神経細胞の動きがまったく異なるという説もあります。

実際、マウスなどを使った研究では、海馬の神経細胞が「今いる場所」と「そこで起きた出来事」に即して活動を切り替える事例が多数報告されています。具体的には、マウスやラットの海馬には「場所細胞」と呼ばれるニューロンがあり、迷路のどの地点を走っているかに応じて異なる活動を示すことがわかっています。

さらに、その際に周囲の音や環境の変化にも対応して記憶の形成が柔軟に行われていることが確認されています。周辺の環境の細かな違いが、脳内での情報処理に影響を関与することが示唆されています。

また、機能的MRI(fMRI)研究から、脳の内側海馬が記憶に関連する様々な活動に敏感に反応することがわかっています。特に、fMRIでは多くのニューロンの平均的な活動しか捉えることができず、単一の神経細胞がどのように記憶内容を切り分けているのかは依然として謎です。

研究者たちは、難治性の率が高い患者の皆さんが治療のために微細な電極を活用し、海馬や豆類の単一ニューロン活動を直接測定するアプローチを用い、その過程で深い洞察を得ることができたと報告しています。このようにして、ニューロンが情報をどのように処理するかを詳しく知る手立てが整いつつあります。

つまり、この研究方法があれば、物理的な制約を最低限に抑え、あくまで「場所」と「出来事」が予測される複雑さを形成させる可能性があることになります。

詳細については、最近の研究で、「物理的な環境」と「出来事」がどのように相互作用するのか、そしてどのようにして共有されるかを検証する新しいアプローチも考えられています。これにより、脳内での情報処理や記憶の形成に関するさらなる知見が明らかになるでしょう。

本研究の成果は、今後の神経科学や心理学の進展に寄与し、医学的な応用が期待されます。特に、記憶障害を持つ患者への支援方法や治療方法の開発にも大いに役立つ可能性があります。私たちの脳がどのように記憶を形作るのか、そしてそれが他の生物とはどのように異なるのか、その秘密に迫る新たな視点を提供するでしょう。