健康

妊娠中にナッツを食べることで…生まれる子にある良い影響が

2024-10-08

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約1,200組の母子を対象とした研究の結果から、妊娠中にナッツを摂取することが、生まれてくる子どもに「情緒的問題」を防ぐ可能性が示唆されました。この研究は愛媛大学医学系研究科の三宅教授らによるもので、ジャーナル「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」に2023年7月に発表されました。

研究では、妊娠中の母親がどのような食生活をしているかが子どもの情緒に関連するということが示されています。特に、ナッツを頻繁に食べていた母親の子どもは、情緒的問題や行動面での課題が少ない傾向にあります。

この研究は、2007年4月から2008年3月の間に妊娠した女性たちを追跡したもので、対象者は年齢中央値32歳、子どもが5歳の時点での調査が行われました。母親は食生活についての調査票を用いてアンケートに回答し、子どもたちの行動については「強さと困難さ質問票(Strengths and Difficulties Questionnaire; SDQ)」を用いて評価されました。

具体的な結果として、1,199人の子どもたちのうち、情緒的問題の割合は12.9%、行動の問題は19.4%、多動の問題は13.1%、親子関係の問題は8.6%、社会的な行動の低さは29.2%とされています。ナッツを摂取していた母親は618人おり、平均摂取量は0.8g/日(範囲は0.4~1.3g/日)で、ナッツの種類別ではピーナッツが36.2%、他のナッツが27.3%、他のナッツとピーナッツの両方が36.4%でした。

さらに、妊娠中のナッツ摂取の影響を探るために、母親の年齢、居住地、子どもの数、教育歴などの背景を調整した結果、情緒的問題に関してはナッツ摂取が有意に関連していることが明らかになりました。

この報告は、妊娠中の食生活が子どもの発達に与える影響について新たな知見を提供するもので、ナッツが子どもの情緒面での発達に寄与する可能性を示しています。この研究は、今後の妊娠中の栄養指導において、ナッツの摂取を推奨する根拠となることでしょう。

妊娠中の食事が子どもに与える影響については、さらに詳細な研究が必要とされますが、健康的な食習慣を促進することは、子どもの幸せな成長に貢献する一助となるでしょう。