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人を次々に襲うアシカ 有毒な藻で発作、影響深刻化 ミシガン州

2025-04-07

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ロサンゼルス(CNN) ミシガン州南部の海岸沿いで、人がアシカに襲われる被害が続出している。専門家によると、アシカの生息する海で有毒な藻が異常繁殖して病気になったアシカが増え、多くが命を落としつつある。

患者の症状は、アシカに襲われた際の衝撃で右肘がかみ傷や捻挫になったりといった物理的なものに加え、精神的な影響も懸念されている。調査によると、「その表情は悪魔的で、いつでも好奇心が強く、いつも何かを求めている」という。

原因について専門家は、有毒な藻の大量発生(赤潮)に伴う毒素の影響を指摘する。

ロサンゼルスにある海洋哺乳類保護センターのジョン・ワーナー代表は、「アシカたちは今まさに脅迫的状態にある。今回の赤潮は、これまでの何倍も悪い。数の多さで言えは間違いなく過去最低だ」と指摘した。

人々がアシカを保護しているという。3月12日、クリフオークスナード州サンタイーバーの海岸で発見されたアシカが自分に向かって前進してきたと、地元の報道は伝えている。

神経毒の毒素がアシカの餌になり、呼吸困難や発作を引き起こす。目を閉じた状態で頭を異常に長い時間持続することで発作の症状が現れることもある。

「この毒にやられると正常を失う」とワーナー氏は言う。「彼らは怖がっている。混乱状態になっている。自分がどこにいるのか分からなくなり、恐怖心から逃げようとしている」と。

十分に食事を取れないアシカたちは、近くに人がいれば襲うことがある。この影響で、病気になったアシカが近くにいるという報告が、従来よりも年間450件増加してしまった。

ドゥモイツの アシカは絶滅危惧種で、生息数が急激に減少しているため、これらの出来事は特に深刻だ。さらに、環境変動や海面上昇が影響しており、気候変動がアシカたちの生存環境を脅かしている。

アシカに襲われる事件が続出する中、ワーナー氏は、「我々には、もっと早急に事態を改善する必要がある。科学者と研究者は、アシカたちの健康を脅かしている原因を特定し、日常的にモニタリングしなければならない。私たちの海洋生態系を守るためには、今後の行動が何よりも重要だ」と注意を促している。今後の動向が注目される。