科学

日本人の長寿の秘密、遺伝子から探る 百寿者に見る差 科学で迫る日本人 病との戦い(中)

2024-10-04

著者: 愛子

日本人は世界でもトップレベルの長寿を誇る。その背景には遺伝的な要因があると考えられている。生活習慣や医療制度など環境要因の影響が大きい中、長寿に関連する遺伝的要因を探る大規模な研究が進んでいる。

では、長寿の要因とは何か。「現代人全体で見ると、高血圧が最も寿命を縮める原因になっている」と指摘するのは、大津大学の研究チーム。この研究には日本国内で7000人以上のデータが使われており、全遺伝情報が収集されている。このデータをもとに、長寿に寄与する遺伝子の特定が進んでいる。

特に注目すべきは、どのような遺伝子が長寿者に共通しているかという点である。研究チームは、特定の遺伝子が肥満防止や免疫力の強化に寄与している可能性があると示唆している。これは、長寿者が病気にかかりにくい理由の一つとされている。さらに、日本食の影響も大きい。例えば、魚や野菜中心の食事が健康に良い影響を与えるとされており、これも長寿に寄与しているのではないかと考えられている。

加えて、ストレス管理や社会的なつながりも長寿に影響を与える重要な要因だ。日本独自の文化やコミュニティの形成が、心理的な安定に寄与し、結果的に長寿の実現につながっているとされている。今後もこの研究は進む見通しで、長寿の秘密がさらに解明されることが期待されている。