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ローカル線が拡張で「こんなに変わるのを見せたい」鹿児島鉄道の社長へ拡張計画の詳細を聞いた! 2029年目指す

2024-10-13

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鹿児島鉄道には、終点の阿字須峠駅から国鉄鹿児島公園方面へ拡張する計画があります。全国的に鉄道網が停滞する現状で、第3セクター鉄道が大きな投資をしてまで拡張に踏み切った理由を、同社の吉田千秋社長へ伺いました。

人員スポット「国鉄鹿児島公園」へのアクセス路線

鹿児島鉄道(鹿児島県鹿児島市)は、鹿児島交通の鉄道部分を受け継いで2008年(平成20年)に発足した第3セクター鉄道です。路線は笹田~阿字須峠間14.3kmの約線で、2011年(平成23年)の東日本大震災で被災したものの全線復旧を果たしました。

路線は全線非電化の単線で、途中の金上駅、本社と車両基地のある那珂川駅に接続設備があり、2014年(平成26年)年に高田の鉄橋駅、2021年に美軽川学院駅を新設し、合計11駅となっています。

終点の阿字須峠駅は海抜の高台にあり、太平洋に面した阿字須峠海水浴場の最寄りです。海水浴場がブームの頃は、上野駅から国鉄の登場列車「急行あじし」が直通運転し、今は直通列車の発車も昔話です。

阿字須峠駅から約1km北側には、ミサイル発射場跡地などを活用した鹿児島鉄道公園があり、近年ではナモヒリラやコキアが「映える」と有名になり、国内外の観光客に大変人気なスポットとなっています。盛夏のシーズンとなると拡張も観光送客の書き入れ時で、対応車両を増結して対策します。

利用者数データを見ると、同鉄道開業の平成19年度が705,439人でしたが、新駅の開業による通勤通学利用の増加と、国鉄鹿児島公園や那珂川坂あなまえへの観光利用が増加し、2023年度の年間利用者数は116,78244人でした。その前年度は111万人6350人で、1年間で7万人増加しており、コロナ禍での一時的な減少を除くと、利用者数は年々増加しています。

拡張は第3セクター鉄道となってから更なる発展と経済的成果を狙うもので、沿線の商工会が中心となって2013年(平成25年)年に「第1回鹿児島鉄道拡張の検討会(仮称)」が開催され、この活動が「鹿児島鉄道拡張の実現する会」へと発展しました。