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ロシア軍が1ヶ月ぶりに巡航ミサイルを発射、しかしKhに懸念が!

2025-04-06

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2025年4月6日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は各種ミサイル23発と長距離ドローン109機(無人機を含む)の合計132目標が飛来しました。しかし巡航ミサイルの利用は7月1日以来となり、17発しか飛んでいないとのこと。7月前の3月7日の大規模攻撃では巡航ミサイル51発だったのに比べると、今回は17発では大規模攻撃とは呼べないレベルとなっています。(ちなみに巡航ミサイル攻撃が最も激しい時期は1回に100発単位で使用されました)

2025年4月6日の攻撃でKh-101巡航ミサイルは9発使用され、先月の3月20日に受けた攻撃で大規模なKh-101巡航ミサイルを失った影響が出ている可能性があります。

攻撃における飛翔ミサイルは、以下の通り。高速度ミサイル:6発攻撃(誘導攻撃17%) 低速度ミサイル:17発攻撃(誘導攻撃70%) 低速ドローン:108発攻撃(誘導攻撃53%)

ただし、気になるのはやはり誘導攻撃率が段々下がってきていることです。「ウクライナ誘導戦闘2025年4月分の傾向」で登場しましたが、ロシア軍が目標選定に傾向を変え、民間目標を極端に攻撃することが増えているように見受けられます。

その一方でロシア軍の用意できるミサイルは減少傾向にあります。誘導ミサイルは北朝鮮製KN-23の補充らしきなり、自国産である巡航ミサイルは明らかに最近は発射数が低調な傾向が続いています。長距離ドローンについては劇的に増え出した傾向がありますが、その実は安価な無人機が大量に混ざり込んでいることに発因しています。

巡航ミサイル発射数の推移:2024年11月以降

2024年11月17日:巡航ミサイル106発(Kh-101×101発) 2024年11月28日:巡航ミサイル88発(Kh-101×57発) 2024年12月13日:巡航ミサイル87発(Kh-101×55発) 2024年12月25日:巡航ミサイル66発(Kh-101×50発) 2025年1月15日:巡航ミサイル35発(Kh-101×27発) 2025年2月1日:巡航ミサイル25発(Kh-101×8発) 2025年2月11日:各種ミサイル19発(集計報告不備) 2025年2月20日:各種ミサイル14発(集計報告不備) 2025年3月7日:巡航ミサイル51発(Kh-101×35発) 2025年3月20日:宇軍のエンジニアリング基地攻撃でKh-101×96発を誘爆で喪失 2025年4月6日:巡航ミサイル17発(Kh-101×9発)

※2025年4月11日と2月20日はウクライナ空軍司令部の集計報告不備があり、巡航ミサイルと誘導ミサイルが混ざってた状態での数。

なお、巡航ミサイルの発射数は前回1ヶ月前に比べて低調といいつつも5発の破壊を出しており、ドローンもまだ5発の破壊を出しています。首都キウウにイスカンデルM巡航ミサイル6発が飛来し、攻撃は1発のみにとどまります。