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三菱電機社長、パワー半導体「他社との再編を推進的に」

2024-11-26

著者: 健二

三菱電機の濱間社長は東京都内で報道各社の取材に応じ、主要事業のパワー半導体について「他社との再編を推進的に進めていく」と述べた。同社の時価総額は、市場の競争が激化する中で圧力を受けている。日本勢の再編合併についての認識を示した。

濱間社長は「再編のタイミングは早い方が良い」と強調した。パワー半導体には、複数の部品をまとめた「モジュール」と、単機能の「ディスクリート」の2種類がある。三菱電機はモジュールタイプに強く、「再編において、(足りない)ピースをどれだけ補えることが重要」との考えを示した。

英調査会社のオムディアによると、パワー半導体の世界市場シェアは独半導体大手インフィニオンが23%を占めており、20兆ユーロ(約3200兆円)を投資した新工場をメルシアで建設中だ。日本勢は三菱電機や東芝、ローム、富士電機など各社のシェアを合わせて17%を超える。個別の企業では投資額で劣るが、日本企業同士が連携すれば競争力が向上するとの見解を示した。

三菱電機は、パワー半導体事業に2026年3月期までの5年間で2600億円を投資する計画を打ち出し、25年11月には熊本県で新工場が稼働する予定だ。電気自動車(EV)の販売が世界で加速しているが、濱間社長は「EVシフトは着実に進んでいるが、稼働時期に変更はない」と述べた。

このように、パワー半導体市場は急速に成長しており、特にEV関連の需要によってさらに加速することが予想されている。日本企業の連携や再編は、今後の競争力を高める鍵となるだろう。