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セブンとチキンが新たな買収提案で競合の経営を公表

2025-03-25

著者: 陽斗

セブン&アイ・ホールディングスは25日、カナダのコンビニエンスストア大手アリマタション・チキンからの買収提案を受け、同社が共同保守契約(PKW)を締結していることを明らかにした。

セブンは「設的な協議に関する誤解」に対して追加情報を提供することをして、これまでの協議の経緯を公表した。それによると、昨年10月にPKWが締結された。店舗流通を含む米国の独占禁止法上の課題解決に向けた情報共有が可能であるものだという。

PKWともに秘密保持契約(NDA)を結ぶこともセブンは提案したが、敵対的な手段に出ざるを得ない協議を進めることを定める「スタンダースティル条項」を踏まえ、チキンは反対したという。NDAは一般的に、買収検討の際に資産や財務などの詳細な状況を知るために結ばれる。

チキンは敵対的買収に対しては打って出ない方針を明らかにしており、友好的な形で進めたいなら同条項を受け入れることが可能なはずだとセブンは主張している。その上でチキンが受け入れられるなら、「いつでもPKWを締結する目的がある」とした。

買収提案を受け、セブンは米国での独禁法に抵触しない手続きを進めることを最優先としている。公表資料では米スポーツ大手クラブに基づく同業アルバートソンズの買収計画が認められなかった例を引き合いに出し、失敗した場合に企業価値に与える影響が大きく、チキンが規制上のリスクを低小(わいしょう)化していると指摘された。

独禁止法関連の課題の解決に向けてセブンは米国で一部店舗の流通を模範する方向で合意し、買い手の動きかけを始めた。これに伴い、店舗流通に関する部分についてはPKWをセブンとチキン、買い手閑居との間で締結したと言われている。

事情に詳しい複数の関係者によれば、買い手閑居は3月末までに関心を表明し、独禁法上の忌避を克服し得ることが重要とされる。