科学

傷ついた肌は「静かな呼び声」を上げて周囲に危険を知らせていると判明!

2025-03-20

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神経系は全身で会話している—肌は?

肌細胞は通常、私たちの体を外界から守る壁として機能し、細菌の吸収や分泌、保護などの役割を担っています。しかし、これまで肌細胞が発する信号が「電気信号」によって行われていることは十分に理解されていませんでした。

実際、神経系や心臓の細胞だけでなく、「電気的にコミュニケーションを取る」ことが考えられてきました。

たとえば、神経系は私たちの身体の中で情報を伝えるために電気的な信号を発生させます。

これらの信号は非常に速く、数ミリ秒のうちに伝達され、神経系全体で情報を瞬時に伝えることができます。

神経の伝達は、私たちが動く、考える、反応するために不可欠な役割を果たしており、その速さと精度は神経系の特異点です。

私たちが暖かいものを触れた時に瞬間的に手を引いたり、「暖かい」「痛い」と感じるのは、電気信号が体内を伝播している証拠です。

では、肌の細胞はどうでしょうか?

肌細胞のように、何らかの情報を伝えることができることが示されています。サチュエイテッド・マサチューセッツ大学の研究チームは、この点を調査するために、傷つけられた肌細胞からの信号を分析しました。研究の結果、傷ついた肌細胞が電気的な信号を発生させ、周囲の細胞に警戒信号を送っていることが明らかになりました。

これにより、感染症や炎症を引き起こすリスクを低減する手助けをしていることが示唆されています。

この発見は、今後の皮膚治療や再生医療の発展に大きな影響を与える可能性があり、特に傷の治癒が理解されたことで、新しい治療法の開発につながるかもしれません。

海外の研究機関でも同様の研究が進められており、皮膚の神経細胞がどのように情報を伝えるのか、そのメカニズムを解明することで、今後の皮膚の健康に対する理解が深まることが期待されています。