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渋谷の宿泊業界:『山手線の内側には泊まれない』出張族から悲鳴

2024-10-15

著者: 裕美

「山手線の内側には泊まれない」という切実な声が聞こえてくる。長野県から東京出張に来た60代の男性会社員が訴えた。この男性は月に3回ほど東京に出張するが、宿泊費は1泊1万円以内という「鉄のお約束」があるため、なかなか宿が見つからず苦労している。

新型コロナウイルスの影響で、同じ予算で宿泊できる部屋を探すのは一苦労。「どうしても質問先から離れた場所になってしまう」と彼は話す。

東京都心部の宿泊代が過去最高水準で推移している。背景を探ると、宿泊業界に幅広く活用されてきたダイナミックプライシング(動的価格制)に生じた、ある変化があった。

大型連休を迎える人々の「価格」の今をリポートする。「渋谷高級の『料金』」も今回、ホテル代の高騰と有料ファーストパスに絡みました。

特に渋谷は、インバウンド需要の高まりと共に、宿泊業界の基準に達した(高部会長)というわけだ。

宿泊客専用料金が急増した背景には、周辺地域の平均客室単価が今年の4月に史上最高の1万7649円を記録したことがある。8月もコロナ禍の2019年同月に比べて約1.5倍の1万6556円を超えた。

最近の料金上昇の理由について、高部会長は「ラーメン1杯3000円」が基準にされていると説明する。都内のビジネスホテルを中心に262の宿泊施設が加算され「渋谷ホテル会」によると、平均客室単価は今年の4月に史上最高の1万7649円を記録した。

大手などに比べて宿泊業界が特に収益性の高い理由は、外資系観光客が日本国内に持ち込む感覚にある。日本未経験の海外観光客が浴びる感覚があり、顧客の視点から見れば、渋谷が特に密着する。

加えて、宿泊料金が高騰している一因には、宿泊業界がアフターコロナの需要回復を受けて、価格設定を見直していることが挙げられる。特に最近では、インフレの影響で食材や光熱費も上昇しており、これが宿泊費にも反映されている。観光協会によると、予約が入るものの、ゲストの滞在費の支出も気になるところで、特に、安価な宿泊施設には需要があるが、提供されるサービスの質も求められているとのこと。注意が必要なのは、今後の価格変動がどのように影響していくのか判断することだ。