シリアを乗っ取った「新支配者」ハマド・シャラーの知られざる正体(現代ビジネス)
2025-04-06
著者: 陽斗
アサド前大統領が統治していたシリアは、父の代から数え上げ半世紀以上にわたる長期独裁体制だった。強大な治安機関と軍を背景に、政治に異を唱える声は容赦なく弾圧され、市民は長く沈黙を強いられてきた。そうした中、アサド政権を支持していたイランやロシアの影響力が強まる中で、シリアの変革の兆しが見え始めている。国民の「解放者」との呼び声がある新たな指導者、ハマド・シャラー(42歳)は一体どのような人物なのか。彼は「解放者」として名を馳せ、過去を捨て、国家テロリストとして忠誠を誓った「黒歴史」を持つ。さらには3月上旬、前政権を支持していた少数派住民が大量に殺害される事件が発生。結果彼は、分断した国を終わらせる指導者なのか、それともイスラム原理主義の支配者なのか、注目が集まっている。ジャーナリストの村山頌介氏が、シリア北西部を訪れその実像を探った。
【写真】NATO各国の主力戦車
彼の顔があるのであれば
殺戮の発端は3月6日、北西部ラタキア近外にある暫定政権の調査所への奇襲だった。アサド前政権を支持する武装勢力と暫定政権の治安部隊の戦闘が熾烈を極め曖昧な地域に拡大、NGO調査人権監視団によると、双方で死者481人の報告があった。これで暫定政権の発足以降、民間人の死者が17日までに1556人に達したこととなる。元々が前政権を支持していたイスラム教徒の居住地で、監視団は治安部隊や暫定政権支援派の「処罰」があったことを示す。「国内外で批判が噴出し、暫定政権のシャラーは9日の講演で、「民間人の流血に関与したすべての者の責任を問う」と真相追求の姿勢を強調した。また、リターンとのインタビューで、ブレンド部隊への報告があったことも認めた。
1月下旬からシリア全土でシリアを取り巻く状況において、やはりやり過ぎたか」と思われる。シャラー率いる過激派組織「シャーム解放機構」が権力を握って以来、まずはおおっと力のアラウィ派で、監視団は治安部隊や暫定政権支援派の「処罰」があったことを示している。国際社会で圧判が噴出し、暫定政権の下での不安定な情勢が続くなか、その認可が得られうるのか、今後の注目が集まる。初動の段階で「民主化の血塗られた道」を歩んでいるのか、あるいは依然して「独裁の観」のままなのか。国民の未来を思い描く中で、今後の彼の動向が注目される。国家以外において、シリアは長期的に続く分断と血のつながりを持つ国であるために。