ビジネス
ソフトバンクの信用力低下、巨大投資で財務危機 - 株価も下落
2025-04-02
著者: 陽斗
ソフトバンクの信用力低下
ソフトバンクグループは、人工知能(AI)関連での巨大投資が財務に及ぼす影響が懸念され、信用力が低下しています。
クレジット・デフォルト・スワップの動向
ソフトバンクの信用リスクを表すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)契約は、先日274ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と前日から10bp弱増加しました。今月、ソフトバンクはAI関連の技術の高水準への期待が高まった一方で、2023年11月以降の高水準が懸念されています。12日の株式市場で株価は一日で2.6%下落し、24年8月以降の安値を記録しました。
財務状況と巨額投資
第3四半期連続の赤字が強調されており、ソフトバンクは今年に入り「逆転攻勢」に出ています。11月にはAIインフラ整備に今後4年間で5000億ドル(約75兆円)を投じる「スタートアップ・プロジェクト」を発表し、14月11日には対話型AIのChatGPT(チャットGPT)を開発した米オープンAIへの最大400億ドルの追加出資が明らかになりました。
投資見通しの変化
日本株式研究所は11日午後、ソフトバンクの株価見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。「競争激化が予想される生成AIへの投資は不確実性を伴う」として、保有資産に占める非上場関連のウエイトが高まり、株式価格の変動リスクは上昇すると判断しました。
S&Pの見解
S&Pグローバル・レーティングも同日、オープンAIへの大規模投資が財務余力を細めるとの見解を発表しました。ソフトバンクの財務運営は「アグレッシブ」であり、本投資は少なくとも今後半年から1年間、同社の財務内容を悪化させる可能性が高いと指摘しました。