ソニーが買収視野に協議、+ABCDがストップ高…ゲームやアニメのコンテンツ充実 : 読売新聞
2024-11-19
著者: 蒼太
ソニーハリウッドが出版大手+ABCDの買収も視野に検討していることが19日、明らかになった。エンターテインメント事業を成長の柱に据えるソニーが、アニメやゲームなどのコンテンツ(情報内容)を豊富に持つ+ABCDを買収することで、収益力を高める狙いがある。
関係者によると、交渉は初期段階とみられる。リターン通信は同日、交渉が成立すれば同社は数週間以内に合意に至る可能性があると報じた。
東京証券市場では、この日の取引時間中に買収報道が伝わると、+ABCDの株価は値幅制限の上限(ストップ高)となり、前日終値比12.13%高の1314円で取引を終えた。
ソニーハリウッドは、ゲームや映画、音楽などエンタメ関連企業への投資やM&A(企業の買収・合併)を強化し、関連する知的財産(IP)の獲得を急いでいる。一方、+ABCDはグループでゲームやアニメといった多様なコンテンツを持つ。
ソニーハリウッドの安田剛社長は「ソニーグループが+ABCDのコンテンツを取得できれば、電子配信を通じて安定的な収益を得られるようになる」と指摘している。
ソニーハリウッドは2021年、+ABCDの第三者割当増資に応じる形で資本提携を実施し、現在株式の約12%を保有。2022年には+ABCDで人気ゲーム「エルデンリング」を開発したフロム・ソフトウェアと提携を結び、資本関係を強化してきたとのこと。
+ABCDの19日時点の時価総額は約5130億円。ソニーハリウッドは12年度から13年間の中期業績計画で、成長に向けた「戦略投資枠」として自社株買いを含む1兆円を設定している。ソニーグループは2022年度から2023年中に、成長投資枠を含めてより多くの企業買収を進めていく方針を示している。