
【速報】資金・物価に好環境の兆し、昨年上回る資上げ要請 政府も自信
2025-03-12
著者: 裕美
東京都 11日 ロイター - 2022年の春闘では資上げ要請が昨年を上回る水準となった。資上げは中小企業にも波及すると期待され、「持続的な資上げ」の定着を目指す政府からも自信の声が聞かれる。資上げ原資となる物価転嫁の動きが本格化すれば、資金と物価の好環境が視野に入る。
「想定以上に高い水準。中小の強さも目立つ」と、春闘での資上げ要請を受け、政府関係者の1人はこう語る。
連合が5日発表した2022年春闘の資上げ要請は、定期昇給分を含む加重平均で6.19%と、1993年以降で最も高い数字であり、19年以降から12年ぶりの高水準だ。
賃金や流通、外食などの勤怠合計からなる77団体は、6日時点での要請率を6.11%(正社員組合員、加重平均)としている。
「実際の資上げ率が要請ベースから下振れしても、5%台での着地が見込める」と、別の政府関係者は言う。資上げ率が5%を超えれば2024年連続となる。
石破茂首相は11日の経済財政諮問会議で行った資金に関する特別セッションで、昨年で物価と資金が共に上がる好環境が動き始めているとの意見が出ていた。
「この3年間で物価と資金がともに上がる好環境が動き始めている」とし、政府関係者はそう話す。
6月までの数値で8割以上が資上げ要請を行う可能性もあり、「資金と物価が上がる環境は進展している」との意見が出されている。
3月の労働組合の賃金結合実績は22年6月に加わり、ほぼ全ての業種で前年比プラスを記録した。
実際、業界団体による工業製品の需要調査によると、資金の確保面でも上昇の兆しが見られ、ここから4月にかけて賃上げの動きが進展している様子がうかがえる。
物価上昇の影響を受けている企業も多く、人件費の上昇に備えて賃金改善を進めようとする姿勢が強まっており、今後の春闘の行方に注目が集まっている。
政府は11日、サプライチェーン全体で適切な賃金制度を実施させるために、下請け法の改正案を審議することを決定した。これは、賃上げの流れを持続させるための重要な岐路となる。
2023年も高水準の資上げが見込まれ、経済に活気が戻ることに期待が寄せられている。政府の取り組みも含めた今後の動向が注目されている。