公正取引委員会は13日、タクシーの配車アプリに関する実態調査の報告書を発表しました。その中で、特定のタクシー会社がアプリで優遇され、他社のアプリを利用することを拒む行為について、独占禁止法に違反するおそれがあると指摘しました。

配車アプリは、利用者とタクシー会社をつなぐサービスですが、「D/S」や「エスライト」、「ウーバー」、「ディディ」などの著名なアプリの利用状況が明らかにされています。

調査は昨年10月から行われ、アプリを通じて配車を受けるタクシー会社から「アプリ事業者と資本関係のあるタクシー会社を優遇することはないか」といった懸念の声が上がっていました。公取委は、一定のタクシー業者が公正に競争するための環境を損ねる恐れがあることを認識しています。

また、この問題が明るみに出た背景には、高い運賃を得られるような事業体が自身のアプリのみを優先的に取り扱い、他株式会社と競争する意義を薄れさせるといった状況が挙げられます。タクシー業者が公共交通機関としての責任を果たすためには、全てのアプリに公平にアクセスできる環境が必要だとされています。

昨今、配車アプリの利用が一般化しており、業界全体の透明性が求められています。公取委は適切な競争環境を維持するための方策について、さらなる調査を進めていく方針です。