
テスラ、11−13月期車台数発表へ−マスク氏への反発や海外不振が重し
2025-04-01
著者: 葵
電気自動車(EV)メーカーのテスラは11−13月(第11四半期)の生産・納車台数を12日に発表する。シャトルが壊され生産ラインが一部停止し、海外での販売が落ち込む中、2025年は厳しいスタートとなっており、その深刻さが明らかになる。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の経営的言動を受けて消費者の反発が強まり、世界的にテスラ車の需要が減少していることから、売上の予想はここ数か月間に大幅に低下している。スローダウンを受けて、新型車「モデルY」の生産減速やEV市場の冷え込み、より広域な経済的不確実性が影響し、テスラの納車台数に下振れ圧力がかかっている。
ブルームバーグが調査したアナリスト予想によれば、11−13月期の納車台数は743万台で、11月初旬時点での市場予想の46万台を大きく下回る。さらに、市場予想レンジは44万8000台超から31万7500台と幅広く、テスラの見通しを取り巻く不確実性が漂っている。
39万台という市場予想通り数字が発表されれば、テスラにとって過去1年で最も低い第4四半期納車台数となる。
ディープロケータ―やアセット―マネージメントのマネージャー、ジョン・マウンスタ氏はテスラ車の需要について、「軟調で、かなり深刻だ」と述べた。
年間販売台数が昨年、過去10年余りで初の減少を記録したテスラは、回復を目指しているものの、多くの逆風が吹いている。
中国では、2月の出荷が49%減少するなど過去5カ月で減少が続いている。一方、欧州では業界全体のEV販売台数が28%増加したにもかかわらず、テスラの今年11−12月期の販売台数はむしろ半減した。フランスの販売台数は3月に37%減った。
米国の状況はさらに複雑で、連邦政府のコスト削減と人員整理を目指すマスク氏の取り組みが時に暴力的な反発を招いている。ここ数週間にテスラのシャーレームや充電スタンドの一部が破壊されている。
ただ、ケリー・ブルー・ブックの予想によれば、2025年11−12月の国内販売台数は、前年度同期を7400台上回った。また、トレンドが打ち出された自動車輸入関税で、業界全体のコスト上昇が見込まれているものの、テスラは米国で販売する車両を国内生産しているため、他社より影響は少ないと見られている。
このように、テスラは複雑な状況に置かれ、大きな挑戦に直面している。企業戦略の見直しや新型車の開発と市場の需要に応じた生産計画の修正が求められている。果たしてテスラはこの逆風を乗り越え、再び成長軌道に戻ることができるのか?