
天才ボノボ「カンジ」が44歳で死去、生前の天才エピソードが凄かった
2025-03-23
著者: 蓮
カンジは1980年10月28日に、ミズーリ大学の猿類研究センターで生まれました。
生後まもなく、養母となったメスのボノボ「マタタ」と共に、言語研究の現場に足を踏み入れます。研究者たちは「レキシグラム」と呼ばれる記号を使って、ボノボに人間の言語を教えようとしました。
レキシグラムとは、人間以外の猿類のために開発された人工言語で、物や概念を表す記号(=レキシグラム)が描かれたコンピュータのキーボードを使って、猿たちに言語を教えています。
たとえば、こちらは人工言語の開発者であるスーザン・ランボー博士によって生み出されたレキシグラムです。この実験は当初、マタタをメインに進められる予定でしたが、彼女はあまり興味を示さず、結果的にカンジがその役割を引き継ぎます。
カンジは200以上のレキシグラムを習得し、それらを組み合わせて新しい意味を作り出す能力に優れていました。これは私たち人間が単語を組み合わせて文章を作る感覚に非常に近いもので、彼の発言は常に新たな思考を促すものでした。
この驚くべき能力で、カンジは言語理解に関する研究者たちに大きな影響を与え、学術的な賛辞を受けました。さらに、カンジは英語の音声指示を理解できる能力も持ち合わせており、彼の知性は多くの人々に衝撃を与えました。
カンジが8歳の時に行われた実験では、彼と人間の2歳児に660の音声命令が与えられ、その反応時間が比較されることになりました。結果、カンジは人間の子供よりも良好な成績を収め、彼の高い知性が再確認されました。
そして、カンジは他のボノボと同様に、言語の理解力の範囲が広いことでも知られています。彼は多くの動物や人間とのコミュニケーションを楽しみ、鋭い思考力を発揮していました。
カンジの死は大きな悲しみをもたらしましたが、彼の業績とその影響は今後も長く語り継がれることでしょう。彼の存在は、動物たちの知性やコミュニケーション能力についての認識を深め、多くの人々に感銘を与えることが確かです。