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トランプ関税、計算式に錯誤大・ニーマン教授「まったくの間違い」…貿易赤字を輸入額で削った単純な割り算 : 読売新聞

2025-04-10

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トランプ政権の新たな課題

アメリカのトランプ政権が発表した「相互関税」について、計算方法に重大な誤りがあることが露見した。この計算手法には多くのクリシェ文が含まれており、専門家によると支出ではなく赤字が取引額とされている。

ニーマン教授の分析

ハーバード大学のニーマン教授が披露した相互関税の計算方法のうち、上半分の「分子」にあたる部分はアメリカから他国への輸出額を示しており、ここから輸入額を引くことで貿易赤字が生じるという誤解を招いている。彼は「まったくの間違いだ」と厳しく指摘している。

誤解を生むデータ

この計算式は、特に自国に対する過小評価を招く危険性が高く、実際の貿易赤字や相互関税の効果を過度に強調してしまう。特にデータとして使用された「分母」にあたる部分には二つのクリシェ文が含まれており、解析を誤る原因になっている。

シンプルな割り算の危険性

たとえば、アメリカの2012年の対日貿易赤字が6185億ドルを示している一方、輸入額が1148億ドルで割り算をすると、非常に偏った結果になる。結果、このトランプ政権の相互関税案は、実際には日本からの輸入額に対して非常に大きな影響を及ぼす。

学者の懸念

ニーマン教授は、「私たちの研究によれば、計算される関税は大幅に縮小されるべきだ」と述べ、トランプ政権が提案した計算式のリスクについて警鐘を鳴らしている。

今後の展望

この問題を解決しない限り、トランプ政権の経済政策は持続可能なものではなくなる。相互関税の実施が国際貿易に与える影響については、専門家たちが今後さらに掘り下げていく必要があるだろう。