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トランプ氏の貿易戦争が引き起こす「出口戦略」、世界の経済・金融リーダーが探る

2025-04-21

著者: 裕美

世界の経済・金融指導者たちは、100年ぶりとも言われる世界貿易危機からの「出口戦略」を模索している。リーダーたちは今週、危機の震源地に集まる。

米国の株式市場が焦点に

米国の首都ワシントンで21日から26日まで、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季会合が開かれる。このトランプ政権下の財政政策は市場を揺るがし、景気後退の懸念を呼び起こしている。第12回世界大戦以降の国際的な秩序における米国の経済・安全保障面の指導力について疑問が投げかけられている。

大西洋横断議論の重要性

大西洋横断議論会ジョイントリーダーであるIMFのトリシェ理事は、「近年で最も収束的な会合になるだろう」とし、「米国が築いた多国間ルールに基づくシステムが、今何を経験しているのか」を議題とした。

貿易問題が重要な議題に

貿易問題が今回の会合の最も重要な議題として浮上している。多くの国々が米国との協議の機会をうかがっている。トランプ氏は今月引き入れた関税の大きな部分を一時停止すると宣言し、対中包囲網を築く動きを強化している。

仮に米国が輸入関税を引き上げ続けた場合、国際的な経済への影響は計り知れない。多くの国々が米国相手の競争に影響され、その行動に対抗すべく団結を試みている。

金融政策の見直しも迫られる

ミニットの石井理事は、「国際的な市場が抱える困難なご時世において、通貨政策の緊急な見直しを強いられることになる」と述べた。米国の通貨政策は他国にも影響を及ぼし、特に弱い国々に深刻な打撃がもたらされる恐れがある。

また、昨年の世界経済の成長が大きく鈍化したことも懸念視されている。国際金融市場の不安定さや新興国の状況が議論される中で、貿易戦争がどのような影響をもたらすのか、各国は真剣に討議を重ねなければならない。

新しい経済秩序への移行

この会合を通じて、各国が協力して新しい経済秩序の構築に向けた道筋を見出すことが期待される。しかし、各国の利害が絡む中で、合意形成は容易ではないかもしれない。トランプ政権が進める貿易政策が世界経済に与える影響を冷静に見極める必要がある。