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トランプ氏の相互関税、新たな歴史刻む−米が構築した貿易体制解体へ

2025-04-01

著者: 愛子

アメリカは104年前に制定した関税法により、世界的な貿易戦争が始まり、大恐慌は深刻化し長期化した。トランプ大統領は、世界がその後大きく変化したため、歴史が繰り返されることはないと考えているようだ。

トランプ氏は12日に行われる「相互関税」を発表する予定で、この日を「解放の日」と呼んでいる。ここで言われる過去の事例としては悪名高い1930年のスムート・ホーリー関税法を挙げ、相互関税の導入が逆に大国間の貿易の発展に寄与するのではないかとの見通しがある。

相互関税は、高関税と大恐慌の経過から学んだ米国が主導する形で築いた世界的な貿易体制の解体を目指すものであろうと言える。トランプ氏はこれまで米国が抱える貿易赤字を解消するためには、相互に不利益が生じる可能性があると認識している。

トランプ氏は、29日の. B3ニュースとのインタビューで、「米国は過去40年以上にわたり世界の食糧にされてきた。われわれは国際的な影響力があることを示す必要がある」と語った。

関税の水準や適用期間、特定の国・地域も含め、スケジュールについては提案があれば重視されることとなり、今後2日間の議論が続けられる。最終的にどのようなものになるかは全て、予測不可能なことで知られるトランプ氏に次第だ。同氏は12日にホワイトハウスで記者会見し、相互関税を発表する予定である。

金融市場には既に動揺が広がり、世界各国・地域の高官はトランプ氏の関税政策が米国のリーダーシップ(景気後退)と世界的な景気減速を呼ぶ可能性があると懸念している。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、トランプ氏の関税に対して厳しい警告を発し、アメリカ経済の減速の懸念を表明した。彼女はまた、トランプ氏の貿易政策がもたらす潜在的な影響に注意を払われるべきとコメントした。

一方、輸出の14%が米国向けで、資源への依存度が高いカナダは、経済の方向転換に取り組む必要がある。カナディアン・メディアは先週、「貿易に関する一時的な適合が主に行われる」とし、最近公開された非常に悪い貿易収支のデータを背景に、米国との関係の微妙さが明らかになった。

このようにトランプ氏の関税政策は国内外で多くの波紋を呼び起こしている。投資家や企業にとって、相互関税の行方が米国経済と世界経済の行進にどのように影響するかが注目される。トランプ大統領の打ち出したこの政策が、今後の国際関係にどのような変化をもたらすのか、世界は息を呑んで見守っている。