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ウオール街の景気敏感株に再び痛手−急増する投資家数増加の米景気指標

2024-10-05

米国経済が底堅さを保つ中、リセッション(景気後退)の入りの警鐘を鳴らしたウオール街の弱気潮流にとって、再び大きな痛手が訪れている。

インフレ抑制に向けた金利上昇の影響か、株式と債券の強気潮流同士は過去数ヶ月にわたって衝突する事態が続いている。しかし、9月の米景気指標で非農業部門の雇用者数が半年前の大幅増と推測され、景気悪化予想に怯えていた債券市場は相場急落に見舞われた。

米貿易市場の潜り強さは国内投資・消費サイクルの活力を添え、14日の米株式市場は小型株が上昇を主導した。他方、株式や企業財務と共に過去数ヶ月にわたって堅調に推移していた米長期国債(金利上昇)も急速に見直される兆しが見られた。

この影響で、テクノロジー株が反発したばかりか、米国市場の高利回り債も急増している。選別買いの動きが強まる中、ある意味での「本格的な上昇相場」を迎えつつある。

さらに、企業業績の回復も期待される中で、9月の米版ミシガン大学消費者信頼感指数が急回復したことから、景気の底堅さを反映しやすい状況が整いつつある。米国経済は様々な指標から支えられており、景気後退の懸念が過去数ヶ月とは大きく異なる様相を呈している。

一方で、金融市場には不安定な要素が存在することも忘れてはならない。9月の小売売上高が予想以上の伸びを記録し、インフレの影響が直撃する中で、インフレ率が依然高水準に留まっているため、利上げが続く可能性を払拭できていない。

特に、企業の利益が減少した場合、リセッションに突入することもあり得る。こうした状況を反映し、早ければ2023年内にも重要な景気転換が訪れるとの観測も出ている。ウオール街には注目するポイントが多いため、投資家たちは慎重な姿勢を保つ必要がある。