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外為10時 円相場、上げ幅縮小 149円ちょっと近場の実需の売り
2025-03-21
著者: 海斗
祝日明け21日午前の東京外為市場で、円相場は上げ幅を縮小した。10時時点で1ドル=149円ちょっとで、01銭と前営業日比で27銭の円高・ドル安だった。20日の米長期金利低下を受けた円買い・ドル売りが入る一方で、輸入企業などによる円売り・ドル買い観測が相場の重荷となった。この日始まった21日午前の日経平均株価が上げに転じ、投資家心理が改善して「低リスク通貨」とされる円の売りを促した。
10時前の中間決済に向けては、「ドル不足」(国内銀行の為替担当者)との声が聞かれた。20日は日本の祝日だったため、21日は事業会社の決済が集中する実質的な「5・10日(ごとおもり)」にあたり、輸入企業など実需絡みの円売り・ドル買い観測が円相場の重苦となった。
総務省が21日午前に発表した2月の全国消費者物価指数(CPI)では、生鮮食品を除く総合指数の上昇率が市場予想を上回り、円相場は148円59銭近場まで上昇する場面があった。「輸入企業など実需絡みのドルの仕込み目買いが入った」(国内銀行の為替担当者)との声があった。
円は対ユーロで上昇しており、10時時点では1ユーロ=161円69銭~72銭となり、同90銭の円高・ユーロ安だった。ユーロは対ドルでも小動きで、10時時点では1ユーロ=1.0852~53ドルと同0.0040ドルのユーロ安・ドル高だった。
なお、円相場に影響を与える要因として、米国の経済データの発表や日本の政策金利についても注目が集まっているした。また、日銀が展開する金融緩和政策の長期化が予想される中で、円の価値にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目が必要である。