科学

Wiiリモコンで操作できる「生き物みたいに動くテーブル」

2024-10-12

著者: 陽斗

生物のような動きを追求する

「生物のような動き」を再現する技術で有名な artist トー・ヤンセン氏が製作する「ストランドビースト」です。

ストランドビーストは、プラスチック素材で作られた作品ですが、風の力を受けて、まるで生きているかのように動くことができます。

風の力で生き物みたいに動く技術作品

その「生物らしさ」は、ヤンセン氏が設計した特異な構造「ヤンセンのリンケージ」によってもたらされています。この構造は、ヤンセン氏がコンピュータシミュレーションに基づいて発見したもので、1本の脚に対して11本の骨組みがそれぞれ適切な長さで組み合わされることによって、円を描くような滑らかな動きを生み出します。

さらに、6本足のアニマルシェイプからわかる通り、中心の軸を回転させるだけで、全ての足が連動して動き、行動することができます。

ヤンセン氏は、このストランドビーストを改良し続けており、現在でも彼の様々な作品を見ることができます。

「歩くテーブル」の開発

一方、ヤンセン氏のストランドビーストやリンク機構にインスパイアされた人々も多くいます。

例えば、オランダの家庭用デザイナーであるウータ・シュールリン氏は、ストランドビーストの動きに少し似た「歩くテーブル(ウオーキングテーブル)」を開発しました。

重くてシンプルに配置できる「歩くテーブル」。彼の開発したリンク機構は、ヤンセンのリンク機構とは異なるもので、どこか生き物らしさを感じます。

ちなみに、このウオーキングテーブルは、自動で動くものではなく、適度に足を使いながら引いてもらうことで「生き物らしさ」を追求できるものです。

グリアム・ド・カルパテイエ氏の「Carpentopod」

またストランドビーストとは別で、エンジニアのグリアム・ド・カルパテイエ氏が作成した歩くテーブル「Carpentopod」が注目を集めています。

彼の作品は、ヤンセンのリンク機構を用いつつ、進化させたものであり、シュールリン氏のウオーキングテーブルよりもさらに洗練された動きが可能です。

人間が介入する必要なく、モーター駆動により自動で動くため、エンターテインメント性も高いです。

さらに、「疲れているから動きたくない」という人にこそお勧めの一品として、他とは一線を画する作品となっています。

果たして、カールパティエ氏の「Carpentopod」はどのようにして生み出されたのか、作品の裏にあるストーリーをぜひ追ってみてください。