現代社会は情報が溢れかえっている。この情報に翻弄されずに生きていけるのだろうか。東京大学で心理学を教える山田直樹氏は「どんなに頭の良い人でも、思い込みに囚われていては失敗する。現代を生きる私たちには『心理バイアス』について知る必要がある」と警鐘を鳴らしている。

近年、心理学が注目を集める背景には、AIの発展や人材不足がある。AIを駆使することで、情報は急増しているが、それに伴い重要な情報を見極める視点が失われている。山田氏は「情報が増えれば増えるほど、ある一つの情報に注目してしまう傾向が強まる。これが失敗を招く」と述べている。

心理学の知識が不足している現代人に起こり得る事例が続出している。「情報の偏りが判断を誤らせる」ことは、心理学の基本的な教えであり、多くのCEOやビジネスリーダーが危惧している要素だ。

さらに、ITの発展によって情報は指数関数的に増加している。例えば、ソーシャルメディアでは毎日数百万件の投稿が行われ、人々は情報の海に溺れがちである。そのため、心理的に安定した「情報のフィルター」を持つことが大切である。しかし、多くの人が感情的な判断に陥りやすく、客観的な思考ができていないのが現状だ。

そうした中、心理学の専門的な知識を持つことは、時代の流れに沿った生き方をする上で必要不可欠だ。心理学が扱う「認知バイアス」や「感情のトリック」について学ぶことで、自分自身をより良く理解し、周囲との関係を円滑にする手助けとなる。

特に重要なのは、自らの心理や行動を客観的に見つめる力だ。なぜなら、私たちは日々、様々な感情に影響されるからである。自分の感情に飲まれることなく、冷静な判断を下せる力を養うためには、心理学が非常に役立つ。

私たちが直面している問題を解決するためには、心理学的視点を持つことが重要である。情報の中に埋もれている真実を見つけ出し、賢い選択をするためには、学ぶべきことが多いと言えるだろう。