小惑星リュウグウにいた(と思っていた)微生物、エイリアンじゃなかった
2024-11-26
著者: 愛子
期待していたじゃん! 持ち帰ってきた小惑星リュウグウのサンプルから微生物の存在を示す痕跡が発見されたと思ったら、実はエイリアンじゃなかったというオチでした! 地球外で集めたサンプルをクリンに保つのは、想像以上に難しいんです。
地球外微生物発見! じゃなかった
インターナショナル・カレッジ・ロンドンの研究チームが、Meteoritics and Planetary Scienceに投稿された論文で、2019年に日本の「はやぶさ2ミッション」で持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルから、微生物群を発見したと発表しました。 ところが、残念なことにこの微生物、エイリアンではなく地球由来のものでした。サンプル回収から研究開始に至る過程で混入した可能性が高いとされています。
通常、宇宙の隕石の研究には、地球の大気圏を突入した隕石が地表に落下した際に使われます。そのようなサンプルからは宇宙空間に存在する物質の成分について多くのことがわかりますが、研究者が手に入れた分析を始める頃には、すでに地球環境において完全に混入されているんです。
保護は完璧!なんて言ってた
しかし、最近行われた日本のはやぶさ2とNASAのOSIRIS-RExミッションでは、小惑星から直接回収したサンプルを地球に持ち帰り、大気や微生物の影響を受けない状態で研究できるよう、厳重に保護されています。特にはやぶさ2は、地球から約30万キロ離れた場所にある小惑星リュウグウから、5.4g(ティースプーン一杯分)の岩石と小石、そしてリュウグウの特性を保持したまま持ち帰ったのです。 これによって、サンプルはカプセルに密閉された状態で投下され、南オーストラリア州の奥地にある無人地域に回収されました。
カプセルのその後、サンプル保管のために用意された仮設の施設に運ばれました。そして、最初のクリンルーム内の真空室で開封された後、地球の物質による汚染を防ぐために常に緊張感が漂っています。
そうして受け取ったサンプルを用いて分析したところ、インターナショナル・カレッジ・ロンドンの研究チームは、隕石の生命や物質についての知見を発見しました。研究者たちは、それらの物質を細菌のような微生物であると推定しています。ところが、この微生物群は地球上の汚染によって発生したものだと判明したのです。宇宙の隕石は地球上の汚染に接することで、影響を受けた結果なのです。特に、隕石上の微生物は地球の環境によって形成されたものであり、宇宙起源ではないことが明白になりました。
ドンマイ! 今後の調査に期待しよう
2020年には、NASAの宇宙探査機が小惑星ベニウのサンプルを地球に持ち帰ってくる予定です。今回のJAXAと同じプロトコルに従って保護されたサンプルからは、いまだに地球由来のバックグラウンドは発見されていません。 リュウグウのような小惑星(C型小惑星)の主成分になっている鉱物は、太陽系からの隕石の基本的な構成要素であると考えられています。
研究者たちは、リュウグウと同じような特性を持つ小惑星を分析することで、太陽系がどのようにしてできたのか、そしてどのように微生物が誕生したのかをもっとよく理解できるかもしれません。 リュウグウのサンプルの初期調査で有機分子が見つかり、生涯の構成要素が隕石や小惑星の衝突によって地球にやってきたことが示唆されています。
サンプルリターンミッションは、太陽系の成り立ちを解明する手がかりとなる重要な情報を提供する可能性が高いです。次回の調査に期待しましょう!