
新京成線→京成松戸線に旧陸軍「鉄道連隊」が設置の歴史 新鎌ヶ谷・新松戸の駅前開発は 千葉
2025-04-01
著者: 裕美
新京成線→京成松戸線に
「新京成電鉄」は、京成松戸線の松戸駅と新鎌ヶ谷駅を結ぶ「新京成線」の運行を開始しました。路線は住宅地を通る24駅、全長26.5キロです。
「新京成電鉄」は「京成電鉄」の完全子会社でしたが、4月1日付けで親会社に吸収合併され、路線名は「松戸線」となり、新松戸駅で記念の様式が開かれました。
駅名・運賃・運行ダイヤに変更はありませんが、駅の看板のデザインなどは新京成線を象徴するピンク色から京成本線と同じ青に基づきリニューアルされました。製服も京成本線と共通になりました。
ピンク色の車両も、今後、京成本線と同じ青と赤を基準としていくことになります。
なぜ合併?京成の戦略は
合併の背景について京成電鉄は、沿線の高齢化を活性化させることだとしております。特に力を入れるのが、複数の路線が乗り入れている「新鎌ヶ谷駅」と「新松戸駅」です。
新鎌ヶ谷駅では、すでに駅前の7000平米の土地でマンションや商業施設の建設が進められ、2026年度の開業後はオフィスなども入るということです。
JR松戸駅との乗り換え駅の「新松戸駅」では、駅直結の「イトーヨーカドー松戸店」が昨年9月に閉店しました。
京成電鉄は昨年10月、松戸エリアの多機能連絡を進めるため、流通大手「イオン」と資本業務提携を締結。
イオンはイトーヨーカドーの跡地に商業施設を建設する計画をもっており、コミュニティーの形成を図るということです。
イオンはイトーヨーカドーの航路を取得し、映画館やインドアスポーツ施設などが入る業務施設作りに関して、隣接する「イオンモール松戸」との回遊性を高めたいためです。
京成電鉄によりますと、松戸駅の関連では、ボトムアップで新規路線の整備が進む余地が多く残っており、合併によって開発を加速させるともに、運営の効率化などを進めたいとのことです。
急カーブが多い理由は
開発が進められている新鎌ヶ谷駅周辺を空撮すると、前後の道路が大きくカーブしていることが分かります。
路線全体を見ても、必然的な急カーブが多数見られます。京成松戸〜新鎌ヶ谷間は直線距離で16キロほどですが、路線の長さになると26.5キロに上ります。
なぜ路線にカーブが多いのか。千葉県の地形に詳しい西野先生に話を聞きました。西野さんは「鉄道先駆者」とも呼ばれているそうです。
路線の大部分が設置されたのは戦前の昭和初期。前線への輸送路として鉄道を設置した旧陸軍の部隊、「鉄道連隊」が設置されました。
当時の建設であった非自動的なカーブなどが意図的に設けられ、戦後、民間への移管時に多く残されています。
さらに、新京成線が設置された区域に関しては、現在も「鉄道連隊」の名残が多く残っています。特に明確なのがなんと、京成津田沼〜新鎌ヶ谷地区で確認できる遺構です。
また、周辺には「鉄道連隊」の遺産である急カーブが多く、信号やポイントなどに今も利用されており、地域社会においてもその歴史を知る貢献が続いています。新京成線の今後には、こうした歴史的価値も影響を与えるでしょう。