シリアのアサド政権は、最近の戦局の悪化を受けて、制圧地域を拡大している。この動きは、政権側の権力を維持できるのかという疑問を呼び起こしている。また、アサド大統領（59）は、イランとロシアが重要になることを認識している。ロシアはシリアの内戦と対抗するために、長年にわたり地上部隊を派遣している。

シリアの内戦は、15年にわたり続き、今後どのような展開をたどるのかは不透明である。国内の敵対勢力だけでなく、強力な外部勢力に対する思惑も絡み合っている。アサド大統領にとって、イランとロシアの存在は非常に大きな要素である。特にイランは、この地域における「抵抗の戦線」の一環として活動している。

シリアの国民は、厳しい生活を強いられ、物資が不足している中で、国内戦争による２万から５万人の死亡者、さらに700万人以上が家を失ったという。内戦による被害は、5000億ドル（約75兆円）近くに上るとされている。

現在の不安定な状況の中、アサド政権は他国と協力関係を築く必要があるが、同時にその利点も減少している。国際的な支援が乏しい中、同時に同盟国であるイランの影響力が強まっている。さらなる対抗勢力との戦闘が進む中で、アサド政権はどのようにその勢力均衡を保つのか、今後非常に重要なポイントとなる。

アサド大統領の手腕が試されるこの時期、これからのシリアをどう舵取りをしていくのか、国際社会が注目している。