友達いなさすぎて「独り言を喋り続けるイルカ」が見つかる
2024-11-20
著者: 陽斗
ハンドウイルカ(学名:Tursiops truncatus)は、世界中の海に分布する最もよく知られたイルカの一種で、通常は小さな群れで生活する社会的動物です。
ハンドウイルカは鳴き声も多種多様に発達しており、それらを巧みに使って、仲間とコミュニケーションを取っています。2019年9月、バルト海に浮かぶデンマークの南部「フィン島」の海域に、特異な行動をするハンドウイルカが見つかりました。
このイルカは「デル(Delle)」と呼ばれており、地域住民から愛されている個体です。研究者たちはその外見に注目し、個体番号1022としてイルカ生態研究のカタログ・データに記録されている「ヨーダ(Yoda)」と呼ばれる個体との関連についての調査も行っています。
ヨーダは2007年の生まれで、現在17歳になっています。彼の背中には特筆すべき切れ目模様があるため、他の個体と識別しやすくなっています。
ヨーダはもともと、スコットランドの海域で発見された「モレイ・ファース(Moray Firth)」と呼ばれるハンドウイルカの群れで生まれ育ちました。2017年9月、しかし彼は故郷を離れ、行く先がわからないまま2019年に突然、フィン島の南海域で発見されたのです。
このフィン島の南海域には小型のナッツミルクが生息している少なくないことが知られており、ヨーダと同じハンドウイルカは生息していないとされています。しかし、ヨーダは少なくとも2019年以降、ひとりで彷徨っていることが確認されています。
さらに、南デンマーク大の研究チームが水中に録音装置を設置したところ、驚きの結果が得られました。彼の独り言には、長い間、他のイルカとのつながりがなかったことを示唆する内容も含まれていたのです。
生態系の保持と環境保護が重要視される今、生態行動が確認されたこの独特なイルカの事例は、さらなる研究を促進するだけでなく、イルカの社会的行動を考える上でも重要な要素となるかもしれません。