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中国、ネットニュースを集中摘発 世論統制強化 - 日本経済新聞

2024-10-03

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【北京=多部田亜仮】中国政府は3日、インターネットニュース分野を対象に違法行為を3ヶ月間、集中摘発する取り組みを始めた。2021年からネット空間の摘発を強化しており、今回はニュースを対象とした。国内経済が停滞し、社会問題が顕在化する中、党や政府の指導が行き届いたネット空間を形成するのが狙いだ。

ネット空間の統制を担う国家インターネット情報弁公室が同日、「ネットニュースサービスの違法行為」というタイトルで新たな規制基準を発表した。これにより、確実に党の論調に沿った形で情報が流通するよう、旺盛な取り締まりが行われる見込みだ。

特にデジタルメディアが急成長する中で、虚偽の情報や誤った報道が広がることを防ぐため、厳重なチェック体制を確立すると同時に、規制の抜け穴を見つけることができる者への厳しい罰則を科す方針だ。また、情報発信者に対しても、事前に内容を政府に確認させることを義務付けることが検討されている。

中国のネットは、今年に入り加速度的に政府の監視が強化されている。社会の不満を抑えつけるために、インターネット上の情報も厳しく管理する姿勢が顕著となっている。このような状況の中で、政府にとっては「間違った情報」を流布することが大きな脅威と見なされており、今後もその取り締まりが続くと予想される。

国際的には、そのような厳格なネット規制が自由な言論を侵害しているという批判も高まっている。調査報道機関やジャーナリストたちは、今後ますます困難な環境の中で活動せざるを得なくなるだろう。