世界

中国の10日の台北総統演説後に軍事演習の可能性:関連観測

2024-10-07

著者:

[台北 7日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統が11日、建国記念の日に関連する「双十節」の式典で演説を行います。これに対抗する形で、中国が台湾に対する圧力を強めることを警戒するために、軍事演習を開始する可能性が高まっています。

蔡総統は5月に就任した新たな政府において、「分離主義的行為」に対抗する方針を示しており、台湾周辺で「連合利剣-11214」という名の軍事演習を実施することが計画されています。

台湾の安全保障当局によると、収集した情報や中国政府の動向を分析した結果、全体的に演習が計画され、蔡総統の演説の内容に関連した軍事的な動きが起こる可能性があるとの見解を示しました。演習は定期的に実施されており、特にこの時期に集中する傾向があります。

蔡総統の演説が口実に使われる公算が高いとも述べられています。最近の台北安全保障当局内部のメモによると、中国は演習に対する責任を「自国の安全を守るための行動」と言い訳として使う可能性があります。

「(中国は)各国のレッドラインを試し、(軍事攻撃以外で)グレーネーション作戦を最大化しようとしている」と指摘されています。

この地域をめぐる外交圧力は、米大統領選挙に向けて注目が集まっていることもあり、中国は演説に対する軍事的な反応を強めることで、国際社会の関心を引くことを狙っていると見られています。台湾は中国の軍事的な対応に対抗するため、今後も軍事演習を計画し続ける方針です。それに対して、蔡総統は「いつでも行動に出られる姿勢が重要だ」と語っています。