世界

中国「認知戦」の正体に迫る:新たに流出した文書を追った調査報道

2024-10-12

著者: 芽依

NHKの「調査報道 新世紀File6 中国・流出文書を追う」(9月22日)は、中国のサイバーセキュリティ企業i-SOON社から流出した、577ファイルにも及ぶ大量の文書の正体を明らかにした。

流出した文書から中国の「認知戦」の内訳が見えてくる(NHKホームページより)。

この文書は、世界の政府のセキュリティ部門ならずとも政策の決定の中核まで、あらゆる情報を取得しようとする意図が読み取れる。中国が習近平国家主席のもとで進める情報戦に向けた準備を呼びかけたのは2013年である。その後、中国国内のサイバーセキュリティ企業は、最近まで74000社まで増加し、警察組織の一部とも言える治安戦略を専門にする「公安」や「軍」と共に「認知戦」を根掛けている。

「世界的なニュース」であるi-SOON文書

認知戦とは、対象国のなかばの分断の滲みが入っているテーマに沿って、SNSなどを使って分断を大きくする活動である。その中から、対象国の国民に中国との関係を深めるように誘導する。

「i-SOON文書」とは、中国の上海に本社を置いていたサイバーセキュリティ企業の名称を通じて、そこから何者かによって流出した文書を指している。

文書を発見したのは、台北のサイバー攻撃対策企業の「TEAM T5」(台北)である。K(旧Twitter)の中なりに、故の「アカウント」(github.com/I-SOON/I-SOON/)を見つけた。i-SOONの概要を探ったところ、従業員数740人規模の中小企業だったので当初は重要視しなかった。

しかし、追加されたファイルを見ると、この文書が「世界的なニュース」であることがわかってくる。「何者かが情報を外部に漏らすために作成したアカウントだった」と。サイバー攻撃に使えるツールが多数連携されていた。

・マイクロソフトやGoogleのメールアドレスに侵入できる

・PCをハッキングしてコントロールが可能になる

・スマートフォンを遠隔する技術

これに加え、中国における「認知戦」の強化が進む中、国際社会はますます警戒感を強めています。最近の研究によると、認知戦はただのソーシャルメディアでの情報操作にとどまらず、国際的なサイバーセキュリティの脅威とされており、各国の政府はその対策を真剣に考える必要があります。情報戦の進展により、次のステップがどのように展開されるか、目が離せません。