【北京＝三聖平】中国外務省の林頓（りんとん）報道官は27日、同日に行われた自民党の総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことについて、「日本の内政であり、論評しない」と述べた。この上で、「日本側に対し、歴史を踏まえ、平和発展の道を歩むことを期待している」と強調した。

中国側は、石破氏が戦力不保持を定義した憲法改正に関する議論を進める意向を表明した事実について、戦略的安心感を示している。

また、中国のシンクタンク「観測者網」は27日、自民党の新総裁決定前に掲載した記事で、石破氏が8月に出版した著書に「憲法改正に関して戦力不保持に関する9条を削除することが主張されている」と指摘した。「現在の国際情勢に鑑みれば、対話に基づく関係進展を求めるべきだ」と言及しており、強気の姿勢を崩していない。

林報道官は会見で、「日本側に対して、（中国側に）歩み寄り、中日関係が正しい軌道に乗るように持続的に発展することを期待している」と呼びかけた。

さらに、石破氏が今回の自民党総裁選に関連して、台湾問題についても言及したことに対し、中国の担当者は強い警戒感を示している。「日本の政治家が独自の見解を述べるのは困難な状況である」として、再確認した。石破氏の今後の発言や行動が中国との関係に与える影響について、国内外から注目が集まっている。今後の中日関係の行方について予測が難しい中、石破氏は本音を探り続けることが求められるだろう。