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「中央道-上信越道」を結ぶ中部横断道は“登山高速”に? 新たなトンネルで高原人気が加速するその設計構想とは

2024-10-06

著者: 陽斗

中部横断道の未開通区間「長野~八千穂」は、どのような計画なのでしょうか。

この区間は長い上り線で、山梨県が2024年12月に公聴会を開く予定です。道路はどのような計画なのか注目が集まります。

中部横断道は、静岡市から山梨県南部市・北杜市を経て長野県小海市までを結ぶ高速道路です。この中央道を基に大きく南北2区間に分かれ、そのうち南側の新清水JCT~中央道は2021年8月までに全線が開通しました。

さらに北側では、上信越道に接続する八千穂IC~長野間が2018年までに開通しており、残りは中央道から八千穂ICまでの約4km(「長野~八千穂」区間)は事業化もされず、開通時期も未定という状況です。

現在、「長野~八千穂」のルートは、詳細が分かる都市計画原案が公開されています。山梨県側は「南アルプス市都市計画道路 双葉・南アルプス・清里線」と呼ばれるもので、10月21日まで公募が可能です。

ルートは、基本的に国道141号(現道)と並行していますが、既存の住宅地や別荘地などを避けるため、農地、自然環境、整備コストに配慮しています。

道路は4車線・設計速度80km/hで、標準幅員は20.5m。途中、山梨県内に高根IC・清里IC、長野県に野辺山IC・海ノ口IC・小海IC(いずれも仮称)を設置します。中部道の長野IC近くに長野JCT(仮称)を新設し、長野県側に向けて概ね4%の勾配をかけて登っていきます。最大標高差は約400mです。

県境に近い標高1300m以上の野辺山IC接近まで登り坂が続きますが、長野県に入ると一転して概ね4%の勾配で下っていきます。最大標高差は500mです。

高低差があるため、野辺山ICの南側はS字型を描いた長いトンネルを掘ることになり、北側の野辺山高原を2km弱の長いトンネルで通過します。

県側では10月21日まで都市計画原案の意見書が提出された場合は12月21日に北杜市で公聴会を開催する予定です。

今後、開通すれば観光や地域活性化、さらには登山人気の増加にもつながることが期待されています。新たな高速道路が登山文化をどう変えていくのか、注目です。