衆院選出馬表明の河村・名古屋市長 辞職時期見送りと対処 | 毎日新聞

2024-10-07

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衆院選に出馬を表明している名古屋市の河村たかし市長(75)は7日、市議会の団長・忖度長会議の場で、市長の辞職に関する発表を行った。最初は11日に辞職する考えを伝えたが、各会派の団長から「議会中に職を投げ出すのは無責任」などと批判が相次いだ。このため、辞職の意向を示した自動失職への対策も、この案も議会が反発。最終的に14日に辞職することで議会に理解を求めることになった。

会議の冒頭、河村市長は9日に市議会議長に辞職届を出し、11日に本会議で同意を得たい考えを明らかにした。しかし、民主の小川俊之団長が「議会中に(市長の)職を投げ出すのは看過できない」と指摘。市民に対しても無責任であるかと言及した。河村市長は「市政を空白にしないように副市長がいる。国に訴えるチャンスはもうない。(衆院選の出馬が)名古屋のために必要だ」と説明した。

一方、これに対し、自民の枇杷谷団長が「市長としての責任を全うするつもりがあるのか」と質問し、市民に対する責任を果たすことを強調した。河村市長は「市長としての職を全うした上で出馬したいので、14日に辞職することで議会の理解を得られるのでは」と答えた。

また、この会議は時刻を改めて切り替えた。田中良治団長が「この1時間で発言が変わった。各会派から出た意見を十分に考慮して、今後の対応を真摯に持って考えてほしい」と要望した。河村市長は言葉少なに市長室に戻り、数時間後、報道陣に対して辞職の意向を改めて伝えた。9日に市議会議長に辞職届を出した後、14日に辞職される考えを再度明らかにした。

河村市長の辞職が示された背景には、自治体が来る衆院選の出馬の際に生じた市長の責任問題が色濃く反映されている。市長という職責を果たすことが市民にとっての重要な保障となるが、同時に選挙に出馬する際には、その職から手を引くことで生じる自治体の影響も計りきれない。さらに、来るべき選挙に向けた準備と対策が求められる中、今後の行動に注目が集まっている。