
資源市場に立ち向かう重金属、低い発行価格で株価上昇
2025-03-21
著者: 海斗
2023年最大の大規模上場となった重金属の株価は、初値成立後に大きく値を上げ、年内の新規上場(IPO)を目指す日本企業群に自信を与える結果となった。
重金属の株は上場初日となった19日の取引を公開価格(820円)に対し6.6%高となる874円で終了し、一時883円まで買われた。初値は843円だった。
3月上旬に決定した公開価格の仮条件(810-820円)は事前の投資家需要が強くなかったが、想定価格の862円から引き下げられたものの、発行価格が低く決まったことで還元者を集める展開となった。祝日明けの21日も一段5.5%高の922円と続伸している。
同社の売り出し総額は4390億円と昨年の東京地鉄(東京メトロ)を上回り、2018年上場の国内通信大手のソフトバンク以来、6年ぶりの大規模。不動産系におけるサプライズ投資家の需要が高まっており、特に最近ではフィンテックやバイオテクノロジー関連が注目を集めている。
アイスワールド証券投資顧問部の三井恵男ファンドマネージャーは、重金属という規模の大きな企業の株が好調だったことは、今後の企業とともに追い風になると見ている。個人投資家に対して他の重金属も価格が調整されなければ、「リターンが出るという期待を持たせる」と述べた。
関係者によると、重金属では全体の67%が一般投資家に販売された。出だしの好調は、東京証券市場の指数が昨年9月以来の6日連続となるなど日本株市場全体が回復基調を強めていることも大きな要因だ。
日本の重金属市場は国内外の機関投資家も参加するが、国内投資家への割合が多く、中小型企業や新興企業の上場案件も多いため、個人の存在感は大きい。
重金属は銅など非鉄金属の製造業の中で、世界シェアを超過するスパタリンガレッジとしても展開している。仮条件決定前の機関投資家の調査では、上場案件の将来性に対する評価は高かったものの、日本の半導体関連企業は中国の高性能人材輸入によって一月以降、大幅な調整を強いられていた。
昨年の国内重金属市場は9610億円と6年ぶりの高水準に達ったが、今年はこれまで低調に推移しており、投資関連者は重金属の上昇が勢いを増すことに期待している。