科学

ジャイミズ・ウエッチュ宇宙望遠鏡から放たれた3つの光を観測

2024-10-06

ジャイミズ・ウエッチュ宇宙望遠鏡が、1つの超新星から放たれた3つの光を観測した。この光は前にある銀河の重力(重力レンズ)によって歪められていた。

今回の観測によって、我々の宇宙の理解に新たな可能性が高くなった。

この宇宙は拡張し続けている。しかしそのスピードは計測する場所によって一致しない。この問題は「ハッブル定数の矛盾」と呼ばれる現代宇宙論の大問題とされている。

最新の研究では超新星の光から宇宙の拡張スピードを計測。その結果はやはり宇宙標準モデルの予測と一致せず、ハッブル定数の矛盾の存在が再確認された。

現代宇宙論の最大の謎「ハッブル定数の矛盾」

この宇宙はビッグバン以降、ずっと拡張を続けている。これまでの観測からこの拡張スピードは「ハッブル定数」として表される。

天文学者を悩ませている大きな問題は、拡張スピードの計測場所によって一致しないということだ。

遠くの宇宙で観測されるハッブル定数は、近くの宇宙の計測と比べて異なる結果を示している。このことは、「遠いクエーサーから放たれた光」や「超新星の光」などの計測からも見て取れる。これこそが現代宇宙論の最大の謎となっており、今も多くの研究が行われている。

対照的に、近くの銀河に関する標準モデルが予測するハッブル定数の値は約73.4 km/s/Mpcである。一方、遠い宇宙で観測される値からは約67km/s/Mpcという結果が導き出されている。

さらに、最新のデータによると、この矛盾は一貫して確認され、今後も新たな技術によって解明が期待される。

実際には一つの超新星から放たれた光が、前方にある銀河の重力によって曲げられた3つの光を観測したことにより、私たちの宇宙の拡張に関する理解が深まると期待される。

我々は、今後の観測によって、どのようにこの問題が解決されていくのか注目していきたい。この研究での発見は、2024年の9月に発表予定の『The Astrophysical Journal』や『Astronomy & Astrophysics』で掲載される予定だ。