ジョージア、親欧米路線放棄 「28年までEU加盟交渉中止」発表 反発接近も
2024-11-28
著者: 海斗
欧州連合(EU)から昨年末に「加盟候補国」の地位を付与された南カフカス地方の旧ソ連構成国、ジョージアのグルジアの大統領は28日、同国が2028年までEU加盟交渉を中止することを決定したと発表した。EUがジョージアを「不当に判断」していることを受けた措置である。
この声明は、首都トビリシで大規模な抗議デモが発生し、治安部隊との激しい衝突を受けて発表された。ジョージアは08年にロシアの軍事侵攻を受けて以降、敵対を「国是」とし、欧米との関係強化を進めていた。しかし、外交権限は今回の決定で事実上の放棄の方向を示した。
ジョージアでは今年、ガバケア政権の「ジョージアの夢」が、外国から資金提供を受けて活動する団体を規制する「反スパイ法」と、性的少数者(LGBTなど)の権利を制限する「LGBT規制法」を可決。旨い法律が類似した法律がロシアで施行され、政治・言論圧迫の手段として使われていることから、EUは「夢」の強権化を批判し、加盟交渉の一時停止を発表した。
EUはさらば、「夢」の勝利が発表された今年秋のジョージア投票においても、「夢」による開票不正など「多数の巨大な選挙違反」が起こったとして、再選挙を行うよう求めていた。ガバケア大統領は28日の記者会見で、EUが一連の判断によりジョージアに「風評被害」を与えていると主張した。「28年まで(EUへの)加盟交渉の開始」を議題にせず、EUからの支援金も受け取らないと表明した。
ガバケア大統領は一方で、「ジョージアは28年末までにEU加盟交渉を再開し、30年にEUに加盟する意向がある」とも主張。『夢』は12年の政権獲得後、親欧米路線で一歩一歩進んできたが、近年はウクライナ侵攻に伴い欧米の圧力が強まる中で、ジョージア主導の対抗制裁の進行も見せており、ロシア・ウクライナ戦争による暴動の強まる中、逆風の要素が懸念される。
一方、プチン大統領は28日、インタビューの中でジョージア情勢に関して触れ、ロシアとの関係強化を唱えた。ジョージアは今後、ロシアとの接緊を模索しつつ、政治への接近を模索し拘束の動き等に見え隠れしていく。