「加害者（50代職員）に対し、大きな怒りを感じています。」10月11日の午後、日蓮系の本門仏立宗の尼僧Aさん（40代）が潮が流れに性被害を告発した。保護者を伴った会見を取材したジャーナリストが、犠牲の身を語る。僧侶の鳳翔さんは「この性加害事件の特徴は、女性信者の信頼が利用され、教師といった優越的な地位にある者が行ったスピリチュアル・アビューズ（宗教を利用した拘束や搾取）である」だという。

宗教界の「Me Too運動」天台宗に続き、日蓮系の尼僧にも性暴力事件

天台宗の尼僧が性加害に遭った問題に続き、日蓮系の本門仏立宗本山で女性信者（尼僧）に対する性暴力事件が起きていたことが10月11日、明らかになった。加害職員は今月5月に緊急逮捕。準強制わいせつで起訴され、公判において罪状を認めている。被害女性は、天台宗の尼僧の記者会見を見て、告発を決意するに至ったという。宗教界でも「Me Too運動」が起こりつつある。

「私は加害者に対して、大きな怒りを感じています。加害者は、自身がしたことによって被害者を信じる人々の心がどれだけ傷つけられ、混乱させたかを理解していないように見えます」と息を詰める。 10日午後、保護者を伴った記者会見に現れた本門仏立宗の尼僧Aさん（40代）は語った。この事件は2023（令和5）年7月7日頃に発生した。千葉県内の本門仏立宗の寺の信者に対して行われた加害行為で、その場に居合わせたB（50代）は、教師としての立場を利用して、Aさんに対してキスをし、下半身を触る行為をしたとされる。

事件は2023年11月まで、断続的に続いていた。

本門仏立宗の教義には、身体接触により違和感を覚えたらすぐに報告するようにという内容は一切存在せず、そうした状況が事態を悪化させた。 Aさんは、「教師が自らの権力を誇示しながら行動した」と語り、被害者の立場を無視した行為に対して、強い不信感を抱くようになった。流れるような時の中で、加害者の行動がますます大胆になっていく様子が報告されている。

Aさんは、自身が経験した困難な状況を乗り越え、誰かの役に立つことを願っている。そして、未来の世代が同じような痛みを感じることがないように、積極的に告発活動を続けていくつもりだという。

Aさんは宗教界において特に信任されていた信者であり、2009（平成21）年に入信。

その後、結婚・出産・離婚を経て、信者同士の信頼や絆が重要であると気づかされる出来事があった。2021（令和3）年にBに悩みを相談して以降、信頼関係を築いていったが、逆に加害行為に遭ってしまったという。削除された信者の姿が見え隠れする中、本門仏立宗にはさらなる深刻な改革が求められている。