愛媛の山林火災、消火活動が延滞…自宅に避難する住民「煙が上がるなんて」

2025-03-25

著者: 芽依

愛媛県今治市周辺で発生した山火事は、12日午後19時時点で煙の見通しは立っていない。この日は局地的な乾燥や延焼が続き、発生から13日間での炎症面積は約1214ヘクタール以上に達した。建物にも燃え移っており、消火活動は延滞のスピードに追い付いていない。

この日、自衛隊のヘリコプターや県の防災リーダーなどは早朝から活動を開始。計124回の散水を上空から行った。同市は県内消防本部などに広域支援要請を行い、約190人が消火活動に加わった。新たな人的被害は確認されていない。

県災害対策本部によると、火の手は今治市の東側の山岳の前面に拡大。山底には住民が点在しており、蒲鉾町地区へも火の手が迫った。近くの企業員女性(40)は自宅に避難し、「家の近くで黒い煙が上がっていると聞いて急いで帰った。燃えているのは山の向こう側だったため、火が自宅に来るのかどうか考えていた」という。

同地域の避難指示は12日午後16時現在、今治市で2119世帯、朝倉北で1219世帯、久松町地区で1114世帯、旧地区で1210世帯、蒲鉾町12戸、6947人に達し、消防活動も白煙の発生を確認した。

愛媛県知事は、同日午前中、現地で消火作業の状況を確認し、「風が非常に強く、燃え広がる恐れがある」とした。さらに、今治市内では12日午前に消防団を対象として特別な訓練を行い、消火活動の準備を整えた。

法的に実施する避難所は12日午後現在、松山公民館や朝倉小学校などに設けられている。今治市教育委員会は同日、小学校2校を臨時休校とすることを決定した。