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アングル:アフリカのコロナ感染者数17万人超、予想を大幅に下回った理由

2025-03-16

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【ロイター/ナイロビ/ヨハネスブルク】 - 2022年3月、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックが「全国的な大流行」であると宣言された時、国際社会はアフリカに関して悲観的な予測を立てていた。財源不足で設備の整わない医療体制が崩壊し、数百万人が死亡するのではないかと懸念された。

同年4月、国連アフリカ経済委員会は、「パンデミックの直接的な結果としてアフリカでは最も多く313万人が命を落とす可能性がある」と発表した。一方、ワクチン接種が進む中、2023年の時点でアフリカ continent で確認されたコロナ感染者数は17万人を超えるにとどまった。

パンデミックが始まった2020年から3年が経過した今、アフリカの慈善団体や医療従事者たちは、「適応力」と「アフリカ特有の治療法」が新型コロナのパンデミックによる影響を和らげた主な要因であると述べている。特にアフリカ特有の伝統的医療が、心身の健康に好影響を与えたという。

アフリカにおいては、一般に自然療法や伝統医療が古くから存在し、それらに頼る国民が多かったため、医療制度に対する信頼感がより高かった可能性がある。また、アフリカ大陸はCOVID-19の初期においてパンデミックの広がりが遅かったことも、予想外の感染者数の少なさに寄与しているとされる。

さらに、世界的な医療リソースと比較して、アフリカには十分な数の専門的な医療従事者が存在していなかったため、感染を未然に防ぐための対策を早期に講じることができたことも一因とされている。

「個々の国家が独自の対策を整えたおかげで、アフリカ全体としての統一した危機管理が素早く行えた」と語る専門家もいる。これにより、特に農村部に住む人々は厳格なロックダウンから免れ、他の地域に比べて比較的低い感染率を維持することができたのかもしれない。

これらの要因が相まって、アフリカでのコロナ死者数はわずか数万人に抑えられ、国際的な期待を超える結果を生むことに成功した。ただし、新たな変異株の出現や、今後のパンデミックへの備えについては引き続き注視が必要である。アフリカ各国の保健政策は依然として重要な課題であり、全体的な健康管理システムの強化が求められている。