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アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解けない謎

2024-11-23

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【ワシントン 10月6日 Reuters】 - 米国の複数の世論調査機関が、今回の大統領選で再びトランプ氏の支持率を過小評価した理由を明かす作業を進めている。

政府やスポーツのデータ分析を手掛けるユニット「538」がまとめた大統領選前の全米世論調査の平均値を見ると、トランプ氏の支持率は民主党候補ハリス副大統領を1ポイント下回っていた。しかし、トランプ氏の得票率は50%、ハリス氏は48%だった。

世論調査は、トランプ氏の支持率を3ポイント低く見積もったことになる。538によれば、2020年と2024年の大統領選でも世論調査で示されたトランプ氏支持率の実際の得票率は、事前の調査結果を上回ったという結果が示されている。

さらに、トランプ氏を支持する層の強さを示すデータも存在する。トランプ氏の支持者は、2020年の選挙期間中においても、彼を熱心に支持する傾向が強く、彼の基盤は揺るがないと示唆している。この現象は、トランプ氏自身が側近やファンとの密接な関係を築く中で形成されてきたもので、彼の政策や言動が支持者に深く根付いていることを示している。

また、世論調査を行う上でのプレッシャーや影響力についても言及されている。多くの人々が米国の政治的分断を背景にインタビューに応じることに躊躇し、回答が曖昧であったり、実際には無回答のままとなってしまうことがあるため、結果に影響を与えている可能性がある。

米国内の世論調査会社は、トランプ氏の支持層が非常に一貫している一方で、ライバル候補への支持は揺らぎやすいという傾向が根強い。このため、データ分析者が結果にどう反映させるかが重要な課題となっている。

西部のパルシファイ大学で行われた最近の研究でも、トランプ氏の支持者は「自分が誰を支持しているか」を強く意識していることが示された。調査に参加した人々の中には、トランプ氏を支持することが「社会的に認められていると感じさせてくれる」と考え、そのために公の場でもトランプ氏を支持することで集団アイデンティティが強化されることから、トランプ氏の人気が持続していると分析している。

現在、米国は大統領選に向けた議論が進んでおり、今後の世論調査結果が注視される中、トランプ氏はまた一歩リードしているかもしれない。このような状況下で、トランプ氏の支持率が依然として高く保たれている理由を解明することは、政治的な観点において重要な課題であり続ける。

トランプ氏を過小評価する傾向は、今後の選挙戦にも影響を及ぼす可能性があり、各候補者はその動向に留意する必要がある。