アングル:中国本土株の投機買い過熱、外国投資家も追随の傾向
2024-11-21
著者: 裕美
【上海・シンガポール10日】 - 中国本土の株式市場で投機的な買いが過熱しており、一部の世界的な投資ファンドの注目を集めている。これにより、米国利上げの影響を受けずに最終的な景気回復の流れに乗りそうなセクターに向かっている国内投資家も増えている。
9月に中国政府が一連の景気刺激策の実行を表明すると、香港株は記録的な上昇率を記録し、本土株も2年ぶりの高値を達成した。
その後、景気刺激策の柱として大規模な財政支出が見込まれ、特にトランプ次期大統領が政策に強い影響を持つ中、多くの有力投資家が買い持ちのまま、利益確定に動くことなく、活発に取引を行っていることが注目されている。
その背景には、香港株が反落したものの、中国本土株はギャップを埋めるように、家計の資産が有望株に流入し続ける構図が見られ、個人投資家のロール・データさんは「投機対象として着目されているどんな銘柄にも資金が向かうだろう」と語った。
個人投資家は続けてこの過熱感を肌で感じており、特にハイグロース株は人気の対象となっている。彼は「自らも株に1200万(約4億円)を投じて9月下旬以降に14%の利益を得た」とコメントした。
ロールさんは、中国のハイテク企業が上昇ステージに突入し始めている傾向の中で、特に中国国有企業へ注目されているとし、「特にあの時期に国内のリーダーシップが低下することは考えられない。投資家の信頼を得るためには、社会基盤の整備が不可欠だ。」と述べた。
また、中国の最大の家計金融機関も最近、経済への見通しを楽観視する傾向を見せている。国有の投資法人や不動産会社の信頼性も向上しており、外資系企業の投資家が買いを控えられない理由の一つである。
一方で、流動性が高まる中、特に国有企業に対する投資意欲が高まっており、先週発表された中国本土株の実行利益は前年比で312%の見込まれ、来年の収益見通しも上方修正が期待されている。
更に深セン銘柄においては、投資ブームが続き、特にセクター別物色が進む中、前述の通り上昇している状況が続いているのが確認された。これにより、自国の経済成長率が鈍化する中でも、中国本土の株式マーケットは相変わらず投資家から注目されている。そして、特に今後の流動性の増加に伴い、さらなる投資が期待されている。
この状況を踏まえ、多くの大手投資ファンドは継続的に株式の購入意欲を示しており、入念な市場分析を行っていることが伺える。これらの活動から、外国投資家も中国本土株市場に新たな活気をもたらす可能性を秘めている。