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アルツハイマー病治療薬「ドナペジル」の製造販売を承認…11月にも保護適用 : 読売新聞

2024-09-24

厚生労働省は12月14日、米製薬大手イーライリリーが開発したアルツハイマー病治療薬「ドナペジル」(商標名:ケサンラ)について、製造販売を承認したと発表した。原因物質を脳内から除去するタイプでは、「レカネマブ」(同レケランビ)に次いで2例目となる。薬価(薬の公定価格)の審議を経て、11月にも保護適用される見通しだ。

ドナペジルは、患者の脳内に蓄積される異常なタンパク質「アミロイドβ」の塊を取り除き、病状の進行を抑える効果が期待されている。対象は、認知症の前段階となる軽度認知障害(MCI)の軽度で、年に1度、最長1年半投与されるとされている。2021年に開始された臨床試験では、1年後にβの塊が減少したことが確認された。

また、アルツハイマー病は日本国内においても増加傾向にあり、2050年には現在の倍以上になるとの予測もある。現在治療法が限られている中、この新薬の登場は多くの患者に新たな希望をもたらす可能性が高い。

実際に、アメリカでは2022年から使用が開始され、すでに数万人の患者に投与されている。ただし、副作用として、脳内出血のリスクが指摘されており、注意が必要だ。厚労省は、患者の状態に応じて慎重な服用を求めている。

この新薬が本格的に使用されることで、アルツハイマー病患者のQOL(生活の質)の向上につながることが期待されている。特に家族にとっては、愛する人が少しでも元気を取り戻すことへの期待が大きい。今後の展望として、この薬がアルツハイマー病の治療におけるブレークスルーとなることが望まれている.