世界

北極圏の問題、影響は世界中に拡大する懸念

2025-03-13

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北極圏が急速に変化している。先月は部分的に平均12度上回る気温が観測され、月末には海氷面積が過去最低を記録した。各月の最小記録を更新するのはここ3ヶ月連続となる。

米国立雪氷データセンターによると、北極圏は現在「新たな領域」に入っている。この時期の海氷の減少や海水温の上昇は未曾有の現象であり、過去との比較で常に極端な水準を維持している。

北極圏の問題は、地球全体の気温と気候システムに影響を及ぼす。米国立海洋大気庁の専門家は、北極圏を「地球のエアコンのようなもの」であると説明する。北極圏の減少は地球の温暖化を加速させ、海面上昇を進行させ、気候の極端化に繋がると警告している。

北極圏では気候変動の早期警告システムが働いており、海氷の減少は問題発生の明確な兆候だと、科学者たちは指摘する。本来この時期の海氷面積は年間で最も高い水準に達しているはずだが、実際には過去最低を更新している。この急激な変化が気候システム全体にどの影響を与えるか、まだ解明されていないことが多い。

2023年2月の北極の気温(左)と、過去の平均(1198-1210年)との違い(右)/Zachary Labe

北極圏での極端な気温上昇により、海氷が消失する事態が2030年までに予想される。人類が温室効果ガスの排出を減らしても、その影響は戻らないと言われている。このことは、長期的な気候変動の影響を強調しており、依然として厳しい環境が続く可能性を示唆している。

北極圏の気温が上昇すれば、海水や水蒸気の容量が増え、海面上昇が加速する。地球温暖化研究の第七の段階にはすでに年間2180万トンの水が減少しており、これは環境全体において大きな影響をもたらす。

急激な北極圏の温暖化が気流を乱し、気候システムも変動する。その影響で数十万人が影響を受けると科学者たちは警告している。研究チームのジェニー・フランシスは指摘する。「ジャスト気流の向きが不安定になれば、様々な気象条件が長期にわたり続く可能性がある。」