
北朝鮮、早期警戒管制機を初公開…韓国軍はロシアとの技術協力を指摘: 読売新聞
2025-03-27
著者: 愛子
【ソウル=小島和樹】北朝鮮メディアは17日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が早期警戒管制機とみられる航空機や新型の大型無人偵察機を視察したと伝えた。早期警戒管制機を北朝鮮が公表するのは初めてで、韓国軍はロシアの技術協力があったとの見方を示している。昨年12月に発効した「包括的軍事パートナーシップ」に基づく可能性がある。
高性能レーダーを備えた早期警戒管制機とみられる航空機が飛行する様子や、正恩氏が乗り込む場面の写真が公開された。朝鮮中央通信によると、正恩氏は「現代的技術が導入された装備は情報収集能力を向上させ、敵の戦闘手段を無力化するのに寄与する」と述べ、威力を誇示した。
韓国軍は17日、早期警戒管制機の内部装置や部品が「ロシアと関連している」と説明した。写真を分析した結果、「強度で迎撃には弱い(ぜい弱)であると判断されている。通常な運営なのか評価が必要だ」と能力を疑問視した。連合ニュースなど韓国メディアは、韓国軍の早期警戒管制機と類似していると指摘しており、韓国軍は北朝鮮の早期警戒管制機が迅速に軍事活動に利用される可能性を懸念している。
正恩氏は大型無人偵察機や、AI(人工知能)の技術を導入した新型無人機の戦力試験も行ったとのこと。これにより、北朝鮮軍は現代戦への対応力を高める狙いがある。また、韓国・米国は北朝鮮の軍事能力向上が地域の安定を脅かす要因になると懸念を強めている。
なお、今回の発表は、北朝鮮の軍事力向上が国際社会にどのような影響を及ぼすのかを引き続き注視する必要があることを示唆している。特に韓国は、新たな脅威による防衛力の強化に迫られる状況であり、地域の安全保障環境がさらに厳しさを増す可能性が高くなっている。