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ビットコインなどの暗号資産、金融庁が規制強化を検討…税率引き下げの議論につながる可能性も

2024-11-22

著者: 蒼太

金融庁が暗号資産の規制強化に関する検討を開始した。安全な取り引きに向けて、資金決済法や金融商品取引法など関連法の改正も視野に入れて、有識者を交えて非公開で議論を進めている。より厳しい規制が設けられる暗号資産の位置づけが進めば、税制見直しに向けた議論が活発化する可能性もある。

暗号資産の決済サービスなどに関して定めた資金決済法で規制されている現状がある。投資対象としての存在感が高まる一方で、無登録の取引所に関するトラブルも相次いで報告されているため、政府が動くのは自然な流れと言える。助言を交えた、特定の暗号資産の販売を促進する個人や団体も問題になっている。

このため金融庁は、規制強化を視野に議論を始めている。2022年度内にも結論を出す方向で、規制強化が必要と判断されれば、2025年度の金融堅牢性会議において論じる予定だ。

暗号資産をめぐる投資が急増している現状がある。日本暗号資産取引業協会によると、国内での暗号資産の口座開設数は今年10月時点で1100万口座を超え、5年前と比較すると3・5倍に増加している。

米国では今年1月、ビットコインに投資する上場投資信託(ETF)が承認されたことを受けて、日本でもビットコインへの投資が注目を集めている。エルサルバドルや中央アフリカ共和国では、ビットコインが法定通貨として採用されるなど、暗号資産の利用が進んでいる。

今後、金融庁の規制強化がどのような影響を及ぼすのか、暗号資産に対する税制改正が議論されるのか、注目が集まっている。特に暗号資産の取引活動においては、税率が15%になることで、トレーダーや投資家に対する圧力が軽減される可能性が期待されている。国民民主党は21日、与党に対して税制改正に関する要望書を提出し、暗号資産の税率を15%に引き下げるよう求めている。暗号資産の市場環境を良くするための改革が進むことで、健全な投資の流れが生まれるのか、今後の動向に注目が必要だ。