
大宮万博の「2兆円タイレ」が引き起こす波紋!設計者自身がSNSで反論を展開
2025-03-17
著者: 桜
2025年に開催される「大宮・関西万博」までの期間、4ヶ月というタイミングで持ち上がった「2兆円タイレ」の問題に関して、そのタイレを設計した建設会社の担当者がX上で反論を展開した。実際には、46基のタイレがある大規模なもので、設計費用は2兆円から1.5兆円に抑えられているという。
背景と反論
一級建築士である濱田健社長は、3月16日に自らのXアカウントで「部分的に切り取られた建設写真が流出し、安っぽい、事業金額を中抜きしているのではないかという疑義」が起きていると報告した。その原因となっている写真は建設物の一部であり、実際のタイレは大規模なものである。
「安っぽい」という批判に対しては、大宮市の吉村府知事が2月21日にポストで「2万トンあり、平均単価は77万円で64万円です。建設物価調査の調査での21~22年の公表タイレの平均単価は98万円である。」という説明を引用しつつ、「このような大規模なタイレに対する予算としては公表の一般的なタイレの予算の基準を大きく下回っている」とコメントした。
経済と環境への配慮
また、大宮・関西万博の開催は、4月13日から10月13日までの期間に限定される。濱田社長は、そのために多額の費用をかけるのは経済や環境への負担が大きいと考え、「閉会後を見据えた移設の機構を備え、異なる場所でも形を変え長く使われる仕組み」を提案した。
様々な形や色のブロックでタイレを構成したのは、万博閉幕後に公園などに移設する際、利用者の数に応じて柔軟に組み替えるためだ。「ひとくちに見ても簡単なものではありますが、積み木がそうであるように、様々な形や色のブロックを組み合わせることで、ユニークな場を創り出すことを意図しています」と説明した。
入札の経過
3度目の入札で1兆4500億円に決定された
濱田社長は、事業費の中抜きといったSNS上に流れる計測を完全に否定した。
問題のタイレは、2024年夏頃に2兆円という金額が報じられ、必要以上にゴージャスなタイレを作るのではないかと批判が集まった。そのためか2度の入札までは不調不調(入札が成立しない状態)となった。3度目の入札では、解体費用を含めて1兆4500億円(税抜き)まで減額されたという。このため「可能な限り低い手法を下げるなどの減額調査」を行い、より柔軟にできたようだ。
事業の透明性
「これが中抜きだとされたら、例えばあらかじめ不調不調を受けた際は2度も不調不調としたらあまり自由さがなかったでしょうし、そうそうそのようなことができない工事にならなかった」と濱田社長は語った。
また、建築材やコンセプトの変更についても、今年は疑いの目を向けられるように、3月上旬に完成したタイレの画像がネット上で拡散されるとともに、トランのようにも見える素材と金額の印象がギャップがあったため、疑念が生じた。このため応募数はそれほど多くはないが、中心には百万人単位の閲覧数を集めた応募も見受けられるなど注目を集めている。
まとめ
各所での完成度は高いが、大宮万博はその規模に見合わない出来ではと多くの意見が寄せられている。「こうなるはずだと思いますが、もしよろしければ実物を高覧いただければ幸いです」と濱田社長は述べている。