健康

大戦中の砂糖配給制の時期に生まれた世代に糖尿病や高血圧の人が少ない理由とは?

2024-11-23

著者: 海斗

第二次世界大戦中と終戦後に生まれた人々に関する最新の研究結果が、アメリカ南カリフォルニア大学(USC)のTadeja Gracner博士の研究によって発表されました。この研究は、砂糖の配給制の影響がどのように健康状態に寄与したかを探るものです。

研究によれば、二種類の糖尿病リスクは46%、高血圧リスクは42%低いという結果が導かれました。このデータは、戦時中における砂糖の配給制が現在の健康状態にどれほど影響を及ぼしたのかを示しています。特に、この時期に生まれた世代が経験した厳しい食料配給が現在の健康に重要な影響を与えているとされています。

1942年、アメリカでは砂糖配給制が導入され、国民は日々の砂糖消費量が制限されました。この時期の国民の砂糖の摂取量は、1日当たり平均40g(ティースプーンで約8杯分)となり、戦後もこの傾向は続きました。この制限のおかげで、糖尿病や高血圧のリスクが低下したのかもしれません。

予備的な分析では、特に受胎後最初の1,000日を過ごした人々が健康に関して好影響を受けていることが確認されています。砂糖供給が少なかった環境にいることで、これらの人々は過剰な甘味を避けることができ、健康リスクが減少したと考えられます。

さらに、国際的な健康研究のデータ、「UKバイオバンク」を用いた調査でも、砂糖摂取量が低い時期に育った人々において、糖尿病のリスクが低いことが示されました。この研究結果は、戦時中の経験が今の健康状態に多大な影響を与えている可能性を示唆しています。

Gracner博士は、「貧しい環境からの子供たちが糖尿病を減少させたことは、栄養学の科学として重要な示唆を持っている」と述べています。この調査は、幼少期の食事パターンが将来の健康状態に多くの影響を及ぼすことを再確認するものとなりました。