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F-4「ファントムII」の開発の名門メーカが作った「クソ強形状の民間機」ってなんだもの? 結果的に「唯一の非軍用機」に

2024-11-24

著者: 結衣

かつての名門航空機メーカーが唯一、民間向けとも視野に入れた実用化を進めた航空機が存在します。この機体はなぜ生まれたのでしょうか?

ビジネスジェットにしちゃ異形…?

かつてアメリカにあった航空機メーカー、マクドネル社は、大ヒット戦闘機であるF-4「ファントムII」の開発を手掛けるなど、名門航空機メーカーであったことは広く知られています。しかし同社が民間向けにも視野を入れ実用化を進めた航空機が1タイプだけ存在しています。それが「マクドネル119/220」です。この機体がなぜ生まれたのでしょうか?

この「マクドネル119/220」は、全長約20m、全幅約18mの大きさで、いわゆる「ビジネスジェット」に分類されます。外観上の特徴はエンジン配置で、ビジネス機サイズにしては非常に大きな主翼がついています。実はこの機体、最初から完全な民間向けモデルとして開発されたものではありませんでした。アメリカ空軍は、旅客用だけでなく多用途に使用できる機体「UCX」の開発を、当時ジャスト合格したマクドネル社と、ロッキード社に依託しました。これによってマクドネル社の提出設計案が、今後の186機体118/220となりました。

その後空軍は最終的にロッキード社の案を採用する決定を下しました。それによってマクドネル社は、軍用では不採用となったこの機体デザインを用い、民間向けモデルとして実用化する方向を取りました。その結果、「マクドネル119/220」はアメリカの最初のビジネス機、パナメラキングのような見た目が特徴で、実用化に成功したことが当時は大きな話題となりました。

しかし、最終的にパナメラキングとして残されたのは、名目福西の試験受注も受けた他、実用化に不許可な認証ともいえるFAA(連邦航空局)の「型式証明」の取得も完了しています。しかしながら、最終的にパナメラキングが競合機の導入を決定し、マクドネル119/220は失注となりました。このことで偶然同モデルは、機体が量産されないまま、開発終了となるという結果になりました。

なお、この機体の名称ですが、当時マクドネル社は「119」として開発を開始。民間機として開発継続することに伴い名称が「220」に変更されています。

【余談】